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チューリヒ怪談ツアーへようこそ

グロース・ミュンスター(大寺院)は、怪談のハイライトの1つ

(swissinfo.ch)

お堅い金融の街、チューリヒ。この街に怪談なんて、ちょっと結びつかない気がするが、イギリス人ダン・デントさんのおかげでこの街の闇の部分が掘り起こされた。

頭のない守護聖人たちが歩き回り、首つりをした乙女がすすり泣き、毒殺された市長が壁の中に消える。

 それはハロウィーンを前にした、暗い秋の夜のことだった。ある集団がチューリヒの街の中心、パレード・プラッツに集まっていた。このツアーの目的は、街の暗い小道やお化けが出る街角を、英語のガイドを聞きながら巡ることだ。

チューリヒの守護神

 心の準備も整わないうちに、のっけからチューリヒにまつわるこわーい話。チューリヒには、フェリックス、レグラ、エクスペランティウスという3人の守護神がいる。彼らは西暦3世紀、ローマ帝国のキリスト教迫害を逃れてこの地にやってき来た。

 しかし一息ついたのも束の間、彼らは居場所を見つけ出されて断首刑となった。その場所となったのは、現在ヴァッサー・キルヒェ( 「水の教会」の意味 ) が建っている場所である。

 「置き去りにされた死体は、やがてむっくりと起き上がり、転がった自分の頭を拾ってゆっくりと立ち去って行きました。 彼らが歩いた跡には、血が線を描いて残されていました」とデントさんはまるで見てきたように話す。

 「彼らは見晴らしの良い丘にやって来ると、そこでやっとまた横になりました。その場所で埋葬されるのを待ったのです。彼らが眠っているのは今、スイスで最も有名な場所、グロース・ミュンスター教会です」

聖ペーター教会の怪談

 次の殺人事件は、また別の有名な観光名所で展開する。聖ペーター教会だ。

 この教会は大きな時計台で有名だが、この時計台の真下に眠るのはルドルフ・ブルン、14世紀のチューリヒ市長だ。彼は毒殺という、悲惨で不可解な死に方をした。

 デントさんによると、1970年代にブルンの死体が死因調査のために掘り起こされ、ヒ素が検出されるかどうか検査された。しかし当時の慣習としてこのような死体は医療的・娯楽的目的で使用されたため、実際にヒ素が検出されたかどうかは定かではない。

 この過程で、なんとブルンの頭蓋骨が行方不明になり、残された骨だけがまた時計台に埋葬された。数週間後、2人の男の子が埋葬された場所の近くでサッカーをして遊んでいると、ボールはころころと中世の格好をした暗い人物の足元に転がって行った。

 男の子の1人がボールを追いかけて行くと、その人物は後ろを向いてそのまま時計台の壁の中にまっすぐ入って行ってしまった。デントさんは語る。「男の子の話を聞いて、多くの人々は、その人物はルドルフ・ブルンの亡霊で、頭蓋骨なしで埋葬されたことに気を悪くして出てきたに違いないと信じました」

実は、チューリヒはお化けがいっぱい

 これも観光客のメッカ、ユートリベルクにも怪談話がある。冷淡で女たらしのマネッグ公爵に裏切られた農家の娘がここで首を吊り、幽霊となってさまよっているというのだ。シッフェ ( Shipfe ) 地域では、ポルターガイストに悩まされた家族が家を引っ越す羽目になった。

 実はチューリヒは、気味の悪い話には全く事欠かない。そしてデントさんは、そのような話にエンターテイメント性を持たせてツアー客に伝えるプロフェッショナルだ。彼はもともとイギリス北部ヨーク州の怪談ツアーで働いていたのだ。

 当時のツアー客の1人だった現在の奥さんに出会ったことで、チューリヒにやってきたデントさんは、この街でも同じようなツアーを企画することにした。このツアーには観光客だけではなく、地元の人々も多く参加しているが、ほとんどの人にとって目からうろこの知らない話ばかりだ。

 デントさんは得意げだ。「最も多いコメントは『自分の街のことなのに、こんなことは全く知らなかった』というものです」

 驚くべきことだが、歴史家によると、スイスは怪談やお化けの話というものの伝統がほとんどない国なのだ。中でもチューリヒは、宗教改革を進めたツヴィングリが活躍した街だけあって、スイスの中でもプロテスタントの影響が最も強い州の1つだ。

 「チューリヒは大都市ですし、スイスは結構キリスト教の影響が強い国ですから、お化けの話が文書として多く残っていないのもうなずけます。けれども、そのような状況でも、調べてみたらチューリヒにまつわる怪談話を見つけるのは、そんなに難しいことではありませんでした」

 デントさん自身は、今まで1度もお化けを見たことがないと言う。それでも説明のつかないことが起こることが、何度かあったとか。「人々は不可思議で、解明できないようなことが好きですね。お化けは、人々の無意識の中に住んでいるようです。『お化けは信じてないけれど、ちょっと怖い』とかね」

 身の毛もよだつチューリヒの怪談ツアー、人気は上々である。

swissinfo、イゾベル・レイボルド・ジョンソン 遊佐弘美 ( ゆさ ひろみ ) 意訳

キーワード

ダン・デントさんは、イギリスの「ヨーク怪談ツアー」で7年間添乗員として活躍していた。同ツアーは観光業界で賞を獲得したこともある。
デントさんがチューリヒで怪談ツアーを始めたのは3年前。
ツアーの期間は3月1日から10月31日まで。水曜日から日曜日、チューリヒ中心街のパレード・プラッツに午後7時半集合。

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