国連人権高等弁務官のフォルカー・トゥルク氏は5日、ツイッター社の最高経営責任者(CEO)に就いたイーロン・マスク氏にあてた公開書簡を発表し、同社の運営において人権を中心に据えるよう要請した。
このコンテンツが公開されたのは、
公開書簡外部リンクの中でトゥルク氏は、「ツイッターは、私たちのコミュニケーション方法を一変させた世界的な革命の1つだ。しかし、このデジタル上の公的空間とそこにおけるツイッターの役割に対し、私は懸念と不安を抱いている」と述べた。
「全ての企業と同様、ツイッターもそのプラットフォームの抱える弊害を理解し、それに対処するための措置を講じる必要がある。私たちの共通の人権を尊重することが、プラットフォームの利用とさらなる発展に向けたガードレールとなるべきだ」(トゥルク氏)
同書簡は、マスク氏がツイッター社で大規模解雇を発表後間もなく出された。人権チーム全員と、倫理的人工知能(AI)研究チーム2人を除くほぼ全員も解雇された。トゥルク氏は「幸先が良いスタートとは言えない」と苦言を呈した。
トゥルク氏は、10月27日にCEOに就任したばかりのマスク氏に対し、同氏の改革計画を巡り6つの優先事項を提示。言論の自由の保護や、それらの権利を侵害する疑いがある場合に政府の要請に対し透明性のある報告をすることを求めた。差別や暴力をあおるツイートに対するコンテンツモデレーション(不適切な投稿の監視・削除)も挙げた。
英語からの翻訳:シュミット一恵
続きを読む
おすすめの記事
人工知能は本当に「賢い」のか?
このコンテンツが公開されたのは、
コンピューターが私たちの代わりに重要な決定をする機会が増えてきているが、そうさせていいのだろうか?スイスのイディアップリサーチ研究所の研究チームは、機械知能の多くは実際のところ、ただの錯覚に過ぎないという。
もっと読む 人工知能は本当に「賢い」のか?
おすすめの記事
ソーシャルメディア規制 独自路線貫くスイス
このコンテンツが公開されたのは、
フェイクニュース、ヘイトスピーチ、陰謀論、検閲――。近年はSNSなど、ソーシャルメディア・プラットフォームが持つ力は大きくなりすぎたと専門家は言う。インターネットが再び民主主義の推進力となる方法はあるだろうか?スイスでは個人の判断力が頼りの綱だ。SNS規制を巡る現状を国際比較した。
もっと読む ソーシャルメディア規制 独自路線貫くスイス
おすすめの記事
イーロン・マスクの祖先、スイスのエメンタール出身と判明
このコンテンツが公開されたのは、
米テスラ最高経営責任者(CEO)で世界一の富豪とされるイーロン・マスクの祖先は、スイス中央部にある小さな農村出身だ。郷土史家らが家系図専門サイトと地元の公文書館を利用し、祖先の出身地を特定した。
もっと読む イーロン・マスクの祖先、スイスのエメンタール出身と判明
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。