スイスにデジタルイニシアチブ財団設立
スイスのデジタル化を推進する財団「スイス・デジタルイニシアチブ他のサイトへ」が1月、ジュネーブに誕生した。デジタルの世界で倫理基準や公平性を整えていくことを目的とした官民共同の取り組みだ。
昨年9月にジュネーブで開かれたスイス・グローバルデジタルサミット他のサイトへで財団の立ち上げが決まった。サミットにはマイクロソフト、華為技術(ファーウェイ)、グーグル、ネスレ、ロシュやクレディ・スイスなど経済界の重鎮や、スイス連邦工科大学チューリヒ校・ローザンヌ校の学識者、スイスの政治家や国連代表者が参加。連邦政府が開催を後援した。
ウエリ・マウラー大統領(当時)はサミットの冒頭あいさつで、デジタル世界での信頼性と透明性を構築し関係者が一致団結するために、「官民の協力体制が必要だ」と強調した。
サミットでは、デジタルイニシアチブの設立趣意書他のサイトへについて議論した。趣意書の草案は国内大学の学識者グループが作成。デジタル革命は人権や経済秩序、民主プロセスなどを侵害し、市民や企業、政府間の信頼を壊す可能性があると警告。倫理原則や国際的な技術基準で規律する必要があると強調した。
財団の理事長を務める元閣僚のドリス・ロイトハルト氏は、「共通の目的は、デジタルテクノロジーの大きな可能性を確実に促進し、すべての人に利益をもたらすことだ」と述べた。市民が新技術に信頼を置けるように、ルールを明確にすることが必要だと強調した。
財団の立ち上げは、国連事務総長が設置した「デジタル協力に関するハイレベルパネル他のサイトへ」が昨年まとめた報告書「デジタル相互依存の時代他のサイトへ」を汲んだものだ。報告書は、デジタルテクノロジーが社会や個人にもたらす利益が不利益を上回ることを保証するために、民間部門や市民社会、中央政府、国際機関が何をすべきかを示す一連の推奨事項を概説した。
(本記事は昨年9月に英語で配信された記事他のサイトへを翻訳・編集したものです)

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