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観音菩薩展 − チューリヒで開催 − 

如意輪観音像 ( 9〜10世紀、奈良国立博物館蔵、重要文化財 )  ( 写真提供 : リ—トベルク美術館 Copyright 奈良国立博物館)

日本の仏教美術をわざわざスイスで観る必要はないなどと思わないでほしい。このほど、リートベルク美術館 ( Museum Rietberg ) で「観音菩薩展/ 仏の慈悲」( KANNON / Göttliches Mitgefühl ) が開催される。

日本でも60年に一度しか開扉されない秘仏や、所蔵する寺から一度も出たことのないといった貴重な仏教美術がチューリヒで堪能できる。

 同展覧会には、10世紀から13世紀に創られた仏像、仏画を中心に、国宝の十一面観音像 ( 奈良国立博物館所蔵 ) のほか、20点もの重要文化財が出展され、スイス国内はもとよりヨーロッパからも、リートベルク美術館の実力が高く評価されることだろう。期間は2月18日から4月9日まで。

六観音を知る 

 展覧会は、観音菩薩の全体を紹介するという主旨から、真言系が指す、聖 ( しょう) 観音、 十一面観音、千手観音、如意輪( にょいりん) 観音、准胝 ( じゅんてい) 観音、 馬頭 ( ばとう ) 観音に、天台系が6種目とする不空羂索 ( ふくうけんさく ) 観音を加えた7種すべてを、仏像や仏画から例を取り観賞できるようにした。

 作品のほとんどが、奈良国立博物館など日本に所蔵されている作品だ。唯一日本以外から出展されるのは、ニューヨーク・メトロポリタン美術館所蔵の「観音経絵巻」。全長およそ9.35メートル。1257年に描かれ、現存する観音経絵巻としては最古の絵巻である。展覧会場では観音経も聴くことができる。

 作品は1200平方メートルの会場に、ほぼ左右対称に配置されている。また、ガラスケースに入ることなくむき出しで、レンガ色の台の上に展示されている点や、説明文が意図的に死角にある点などから、空間に寺院の雰囲気を持ち込むことに成功している。

 「観音菩薩展」を手がけたカタリナ・エプレヒトさんは、2001年夏「長谷川等伯展」を行い、国宝『松林図屏風』をチューリヒに呼び好評を博した。「鳥肌が立つでしょう?仏教徒でなくとも、聖なるものを感じるはずです」と言う。「作品それぞれにまつわる情報はカタログを読めばいいのです。音楽を聴いて、説明されなくとも感動するように、仏像からも非常に力強い表現がそのまま伝わってきます」と仏像を凝視した。

エメラルドの美術館

 リートベルク美術館はこのほど、およそ4600万フラン ( 約44億5000万円 ) の予算で増築された。ガラス張りでエメラルド色のパビリオンが造られ「美術館が所有するほとんどすべての作品を展示できるようになった」とアルベルト・ルッツ館長は、美術館のすべてをさらけ出すつもりだという。

 新館は古代中国から中国仏教、宮廷美術が中心で、中国絵画が地下1階に広々と展示されている。日本美術の展覧会場には、12世紀から13世紀の仏像、能面のコレクション、浮世絵など、品数は少ないが、質の高い作品がある。地下2階は特別展用のスペース。上階には茶室がある。これは日本で作り、コンテナで美術館まで運んだという。

 入り口正面の壁は、コンクリートむき出しの幾何学的でモダンな浮き彫り彫刻になっており、正方形の金箔がところどころに貼られている。ショップで10フラン ( 約970円 ) の金箔を購入し、このリリーフに貼ることができる。「東南アジアのお寺の習慣をまねました」とアルベルト・ルッツ館長は説明する。

 「観音菩薩展」は新館開館を祝う企画でもある。このほかにも、茶会、座禅、仏教についての講義など、多くの企画が予定されている。

swissinfo、佐藤夕美 ( さとう ゆうみ )

補足情報

出展作品は10〜13世紀の仏像、仏画、7、8世紀の観音菩薩初期の作品、14世紀の禅宗水墨画など36点。絵画は非常に破損しやすいため、開催前期と後期 ( 3月20日から ) に分け展示される。また、世界的に活躍する現代美術作家、杉本博司氏の妙法院三十三間堂の写真展も平行して開催される。

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キーワード

<リートベルク美術館 ( Museum Rietberg )>
観音菩薩展 2月18日〜4月9日
火〜日曜日 10〜17時
水・木曜日10〜20時
入場料 16フラン、割引券12フラン ( 約1550円 / 1160円 )
カタログ 『KANNNON−Göttliches Mitgefühl / Frühe buddhistische Kunst aus Japan』 48フラン ( 約4700円 )
交通手段 チューリヒ中央駅から、7番のトラムでリートベルク美術館下車

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観音菩薩

六観音
仏教では、人は地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人道、天道の六道 ( りくどう ) に生まれ変わるというが、それぞれの道で観音菩薩が人を救うという教えから、基本となる聖観音と変化観音5種、合わせて6種の観音菩薩がある。宗派により6種の観音に多少の違いがある。

三十三観音
人の境遇や事情に合わせて三十三身に変化し一切の衆生を救ってきたと観音経にあり、33という数字は、四国三十三カ所観音霊場、三十三間堂などにも現れる。

観音経
妙法蓮華経28品の中の第25「観世音菩薩普門品 ( かんぜおんぼさつふもんぼん ) 」の略称。観音菩薩の意味とその救済と功徳を説明するもので、現世利益と結びつき観音信仰の基礎となった。

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