ボクシングの「王者」がスイスに来たとき












ボクシングの元ヘビー級王者のモハメド・アリが米フェニックスの病院で亡くなった。享年74歳。アリは1984年からパーキンソン病を患っていた。
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ベルン大学で歴史学と政治学を学ぶ。通信社ロイター、日刊紙ブント、ベルナー・ツァイトゥング、ラジオ・フェルダーバントを経て現在に至る。関心テーマはスイスで実践される現代の直接民主制。スイスの直接民主制をあらゆる面、あらゆるレベルから取材する。常に市民を記事の中心に据える。
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アリがチューリヒでドイツ人ボクサーのユルゲン・ブリンを負かしたのは1971年。当時、写真家エリック・バックマンは試合に備える世界的スターの数日間を追い、カメラに収めた。その写真からは、スポーツマンとしてだけではないアリの人柄を垣間見ることができる。
1971年12月26日、チューリヒの屋内競技場ハレンシュタディオンでアリはほとんど無名のボクサーと対戦した。もちろんそれは、後の伝説的な「スリラー・イン・マニラ」や「キンシャサの奇跡」といった歴史に残るような試合ではなかった。
旧名カシアス・クレイから改名したアリは、マニラ、キンシャサの試合でジョー・フレジャー、ジョージ・フォアマンを打ち負かし、ボクシング界のみならずスポーツ界でその名を揺るぎのないものにした。
数々の試合で多くの人を熱狂させ、魅了したリング上のその姿とは裏腹に、バックマンの白黒写真には、チャンピオンが残雪の森をランニングする様子や、ラングシュトラッセの靴屋で「スイス製」の頑丈な靴を買い、また公開トレーニングで汗を流す姿が写されている。当時の雰囲気も十分にかもし出すバックマンの作品を収めた写真集「モハメド・アリ、チューリヒ、1971年12月26日」は今年、パトリック・フレイ社から出版された。
(写真・Eric Bachmann、文・Renat Kuenzi 、swissinfo.ch)
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