バチカンでスイス衛兵の宣誓式
6日バチカンで新任のスイス衛兵がヨハネ・パウロ法王の前で宣誓式を行い、アドルフ・オギ・スイス大統領も列席した。写真はオギ大統領とセグミュラー大佐(右から2人目)。
6日バチカンで新任のスイス衛兵がヨハネ・パウロ法王の前で宣誓式を行い、アドルフ・オギ・スイス大統領も列席した。写真はオギ大統領とセグミュラー大佐(右から2人目)。
仏語圏からの12人、伊語圏ティチーノ州の1人、ロマンシュ語圏の1人、独語圏21人から成る35人の新任の衛兵は、サッコ・デ・ローマで行われた宣誓式に出席した。
バチカンは1506年からスイス人衛兵が守備にあたっている。16世紀の初め、ヴァリスの高位聖職者マテウス・シナーは、教皇に選ばれて元来の州に加えサン・ゴッタルドの周囲にミラノ、シュヴァーベン、ブルゴーニュを統合したカトリック国家を創建しようという野望に燃えていたが、1515年9月フランス王フランソワ1世に敗れ失敗した。が、バチカンとの関係が友好的だったこの時代、スイスは1506年に法王の衛兵に応募する特権を得た。時の法王ユリウス2世は、スイス人特にゴムスのヴァリス人にミケランジェロがデザインした法王庁儀仗兵の制服着用の権利を認めた。現在は、110人の衛兵がいる。
宣誓式は、147人の衛兵が法王クレメント7世を守って戦死した1527年のローマ軍侵攻の故事をたどる。
宣誓式の前にオギ大統領はヨハネ・パウロ法王の謁見がかない、2年前のスイス衛兵司令官殺人事件について触れられたと思われる。1998年の宣誓式の直後、アロイス・エステルマン衛兵司令官夫妻が部下に射殺され、犯人は自殺する事件があった。その後、衛兵隊内での再建などにより、緊張は緩和したという。仏語圏出身の新司令官ジャン=ダニエル・ピッテルーの着任が果たした役割も大きい。ピッテルー司令は「仏語圏出身の衛兵は以前から母国語で個人的な相談ができるような上官の必要性を訴えていた。」と言う。
オギ大統領は、法王謁見のあと「私の政治生命の最も意義深い瞬間だった」と感動を語った。
JTI基準に準拠
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。