チューリヒ動物園で4日、飼育員がアムールトラに襲われて死亡した。園は、襲ったトラを殺処分しない考えを明らかにした。
このコンテンツが公開されたのは、
4日午後1時20分ころ、55歳のベテラン女性職員が、園で飼育中のアムールトラ2頭のうちの1頭「イリーナ」(メス・5歳)に襲われた。目撃した来園者が通報し、複数の警備員が直ちにトラを隔離した。飼育員には迅速な医療支援が施されたが、現場で死亡が確認された。
チューリヒ市警察は5日、事故死として調査を進めていると発表した。事件発生当時の状況はまだ明らかになっていない。園のトラは人と直接接触することなく飼育されているため、原則として、人とトラが同じ空間にいることはない。何らかの原因で鉢合わせした際、縄張りへの侵入者とみてトラが飼育員を攻撃したとみられる。
園は事故を受け、翌日に臨時休園した。園長は「4日に起こった事件は悲劇的だが、アムールトラは本能的に領域を守る野生動物だ」と話し、イリーナを今後も園で飼育する意を示した。
動物園はトラの観覧エリアを除き、6日から営業を再開した。 事故現場では調査が続いている。
チューリッヒ動物園で動物の襲撃事件が起きるのは今回が初めてではない。2019年12月には、雄のフィリピンワニが囲いの定期清掃作業中だった飼育員の腕をつかんだ。飼育員は負傷して手術を受け、ワニは銃殺された。
おすすめの記事
11月のスイスアルプス、季節外れの暖かさ
このコンテンツが公開されたのは、
スイスアルプスで、季節外れの暖かさが続いている。スイスで最も標高の高い地点にあるユングフラウヨッホでは観測史上最高を記録した。
もっと読む 11月のスイスアルプス、季節外れの暖かさ
おすすめの記事
スイスでベジタリアン・ビーガン増加 若者・高学歴に多く
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで肉食をやめる人が増えている。植物性食品を推進するスイスベジ協会(Swissveg)は30日、スイスのベジタリアンやビーガンの数は過去5年間で約40%増加したと発表した。
もっと読む スイスでベジタリアン・ビーガン増加 若者・高学歴に多く
おすすめの記事
スイスを縦断するツルが過去最多
このコンテンツが公開されたのは、
スイス鳥類研究所によると、スイスでは今季、はやくも過去最多のツルが観察されている。なかには約800羽の大規模な群れもみられた。
もっと読む スイスを縦断するツルが過去最多
おすすめの記事
「金銭目的」で自殺ほう助 スイスの裁判所が元看護師に有罪判決
このコンテンツが公開されたのは、
スイス南部ティチーノ州ルガーノの州刑事裁判所は23日、利己的な動機で他人の自殺を手助けしたとして、自殺教唆・ほう助の罪に問われた同州の元看護師の女(67)に条件付き罰金刑を言い渡した。
もっと読む 「金銭目的」で自殺ほう助 スイスの裁判所が元看護師に有罪判決
おすすめの記事
スイス、外来診療の新料金体系で合意 定額制を一部導入
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの医療機関団体は22日、外来患者向けの新料金体系を承認したと発表した。エリザベット・ボーム・シュナイダー内務相は積年の議論に決着がついたことを歓迎した。
もっと読む スイス、外来診療の新料金体系で合意 定額制を一部導入
おすすめの記事
スイス製武器の再輸出解禁案まとまる 主要政党の賛否まとまらず
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国民議会(下院)安全保障委員会は、スイス製武器の再輸出の解禁案をまとめた。武器の輸出から5年経過を条件に、ウクライナなど紛争中の第三国への再輸出を認める内容だ。ただ主要政党の間では賛否が割れている。
もっと読む スイス製武器の再輸出解禁案まとまる 主要政党の賛否まとまらず
おすすめの記事
スイスで「ニュース離れ」さらに深刻に メディア品質年鑑
このコンテンツが公開されたのは、
チューリヒ大学公共・社会研究センターが毎年まとめる「スイスメディア品質年鑑」2024年度版で、スイスでニュースを平均以下の量しか消費しない人の割合は46%と、過去最高を更新したことがわかった。スイスメディア全体の質は引き続き「良好」と評価された。
もっと読む スイスで「ニュース離れ」さらに深刻に メディア品質年鑑
おすすめの記事
アイスホッケーのスイス代表、国旗の白十字使用認められず
このコンテンツが公開されたのは、
アイスホッケーのスイス代表チームは、ユニフォームにスイスの国旗である白十字の紋章を付けることができなくなった。スイスアイスホッケー連盟(SIHF)が連邦行政裁判所に提出した申請が遅すぎたのが原因だ。
もっと読む アイスホッケーのスイス代表、国旗の白十字使用認められず
おすすめの記事
スイス、ロシアに追加制裁 輸出規制を強化
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府は16日、ウクライナに侵攻するロシアへの追加制裁を発表した。ロシアの産業・軍事・技術に必要な製品の輸出規制が強化されるほか、政党、NGO団体、報道機関がロシア政府からの寄付を受け取ることが禁止される。
もっと読む スイス、ロシアに追加制裁 輸出規制を強化
おすすめの記事
チューリヒの一等地にパン屋開業 高級街に転機か
このコンテンツが公開されたのは、
高級ブランドが立ち並ぶチューリヒのバーンホフ通りにパン屋が開業し、大きな話題を呼んでいる。通りを象徴する百貨店の撤退や再開と合わせ、街の大きな転機になるとの指摘もある。
もっと読む チューリヒの一等地にパン屋開業 高級街に転機か
続きを読む
おすすめの記事
動物園は動物にとって良いのか悪いのか?
このコンテンツが公開されたのは、
バーゼル動物園では大型の水族館プロジェクトが、またチューリヒ動物園ではゾウの新施設が公開された。生物をその生息地から切り離して飼育すると言う意味で、「動物園」というコンセプトそのものを批判する声も上がっている。
もっと読む 動物園は動物にとって良いのか悪いのか?
おすすめの記事
休園中の動物園をデジタル訪問 子供向け教材に
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは11日から、新型コロナウイルスに伴うロックダウン(都市封鎖)解除の第2弾に入る。動物園は第3弾の来月8日に再開する予定だ。ベルンの市営動物園は子供が自宅で動物の生態を学べるデジタル教材を用意した。教育関係者からの評価は高い。
もっと読む 休園中の動物園をデジタル訪問 子供向け教材に
おすすめの記事
檻の中の熊により快適な暮らしを
このコンテンツが公開されたのは、
スイスにある数多くの動物園が、必ずしも理想的とは言えない檻で、熊を飼育している。しかし、ヌーシャテル州ラ・ショー・ド・フォンにあるボワ・デュ・プティ・シャトー動物園にたった1頭いる熊は、特別な配慮を受けている。
もっと読む 檻の中の熊により快適な暮らしを
おすすめの記事
チューリヒ動物園にオーストラリア園が誕生
このコンテンツが公開されたのは、
チューリヒ動物園に客寄せパンダならぬ客寄せ「コアラ」がやってきた。フワフワの毛にクリクリの目を持つ2匹の雄コアラ、ミロとマイキーだ。
もっと読む チューリヒ動物園にオーストラリア園が誕生
おすすめの記事
絶滅危惧種のサルに赤ちゃん チューリヒ動物園
このコンテンツが公開されたのは、
チューリヒ動物園で今月5日、絶滅危惧種のゴールデンライオンタマリンの赤ちゃんが2匹生まれた。飼育数はこれで11匹になった。
もっと読む 絶滅危惧種のサルに赤ちゃん チューリヒ動物園
おすすめの記事
ジュネーヴの動物保護園にて
このコンテンツが公開されたのは、
動物園が倒産したり、親が猟師に殺されたり。こんな運命を背負った動物を受け入れているのは、ピエール・シャロンド氏(61歳)。動物保護園を始めて今年で丁度30年になる。 ピエール・シャロンド・パークに住む動物達は、シャロンド…
もっと読む ジュネーヴの動物保護園にて
おすすめの記事
チーターの繁殖続けるバーゼル動物園
このコンテンツが公開されたのは、
同園では過去12年で4回の繁殖に成功、13匹の赤ちゃんが生まれました。欧州でこれだけの実績を挙げた動物園は全体の10%にとどまるといいます。 園の広報担当フランツィスカ・ヴィスカルディさんは「チーターの繁殖は、計算上は複…
もっと読む チーターの繁殖続けるバーゼル動物園
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。