トラの観覧エリアを除き、チューリヒ動物園は6日に再開した。
Keystone / Ennio Leanza
チューリヒ動物園で4日、飼育員がアムールトラに襲われて死亡した。園は、襲ったトラを殺処分しない考えを明らかにした。
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4日午後1時20分ころ、55歳のベテラン女性職員が、園で飼育中のアムールトラ2頭のうちの1頭「イリーナ」(メス・5歳)に襲われた。目撃した来園者が通報し、複数の警備員が直ちにトラを隔離した。飼育員には迅速な医療支援が施されたが、現場で死亡が確認された。
チューリヒ市警察は5日、事故死として調査を進めていると発表した。事件発生当時の状況はまだ明らかになっていない。園のトラは人と直接接触することなく飼育されているため、原則として、人とトラが同じ空間にいることはない。何らかの原因で鉢合わせした際、縄張りへの侵入者とみてトラが飼育員を攻撃したとみられる。
園は事故を受け、翌日に臨時休園した。園長は「4日に起こった事件は悲劇的だが、アムールトラは本能的に領域を守る野生動物だ」と話し、イリーナを今後も園で飼育する意を示した。
動物園はトラの観覧エリアを除き、6日から営業を再開した。 事故現場では調査が続いている。
チューリッヒ動物園で動物の襲撃事件が起きるのは今回が初めてではない。2019年12月には、雄のフィリピンワニが囲いの定期清掃作業中だった飼育員の腕をつかんだ。飼育員は負傷して手術を受け、ワニは銃殺された。
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