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居留外国人人口規制案、24日に国民投票

24日日曜日、居留外国人を全人口の18%に規制する案が、国民投票にかけられる。居留外国人規制案は、外国人のスイス社会への統合問題に疑問を投げかけている。

24日日曜日、居留外国人を全人口の18%に規制する案が、国民投票にかけられる。居留外国人規制案は、外国人のスイス社会への統合問題に疑問を投げかけている。

現在スイスの全人口の20%は居留外国人が占めているが、ほとんどの外国人は同国人同士でコミュニティを作り、内にこもっている。また、スイス人は外国人住民の多い地域に住みたがらず、また外国人の子供達の通う学校には子供を通わせない。

スイス連邦政府は、外国人のスイス社会への統合プロジェクトに1、000万スイスフランの予算割り当てを発表した。多くのスイス人は、外国人コミュニティのスイス社会への統合は、論議の的となるようなものではないと思っている。

ベルンの教育指導員クラウディア・オマールさんは、首都ベルンの児童の30%を構成するのは外国人の子供達で、彼等は言語問題を中心にスイス社会へ適合する事が必要だと力説する。「我々は、これら外国人の子供達が、早急にドイツ語を上達できるよう指導しなければならない。これは、スイス人の教師や子供達のためではない。統計を見れば、ベルンの外国人の子供達は、スイス人の子供達に比べて中学卒業後職業訓練校に進む率が極端に低い事が分かる。ギムナジウム(高等学校)から大学へ進学する者は、ほとんどいない。」

オマールさんは、18%規制案がスイスの外国人問題の解決にはならないと確信を持っている。「こんな案は実践的でもなければ、合理的でもない。多くの外国人はここで働いており、ベルン市も彼等を必要としている。」と語る。

オマールさんは、スイス人に対し「外国人は我々に、新しい文化、言語、技術をもたらしてくれる。」と、外国人のポジティブな面を見るように求めている。また、スイス国籍取得が容易になれば、外国人人口は激減すると訴える。「ベルンに住む外国人の3分の2は、10年以上住んでいるか、ここで生まれた人々だ。他の欧州の国々では、このような人々は何年も前に国籍を取得できている。スイスは、欧州1国籍取得が困難な国で、費用もかかる。我々は、法改正をするべきだ。」

「私が夢見ているのは、『あそこに外国人がいるよ、ここで何してるんだろう。』などと誰も言わなくなるような、首都をつくる事だ。」とオマールさんは語った。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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