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スイス人デザイナー ロンドンファッション界に進出

ロンドン・ファッション・ウィークに専念するサロことサンドロ・シュヴィーツァー氏

ロンドン・ファッション・ウィークで新進気鋭のスイス人デザイナー、サロがレディース・イブニングウエアの初めてのコレクションを発表した。

流れるようなデザイン、スイスらしさにこだわらないスタイル、もともとの才能にハードな仕事ぶりがあってこその、今回のデビュー実現についてサロ本人が語る。

若手デザイナーの誕生

 本名はサンドロ・シュヴィーツァー、しかしサロと呼ばれることを好む彼は、2年前に自分のブランドのデザインを開始したが最初のコレクションに取り組むことを決意したのはつい昨年9月のことだった。

 若干26歳という若さだが、サロはすでにパリのファッションスクールで学び、ニューヨークではスー・ステンプ氏のもとで実習生として働き、最近ではロンドンのヴィヴィアン・ウェストウッド氏の小さなデザイナーチームに加わった。インタビュー当日、彼の良き相談相手でありビジネスパートナーであるマリー・ブレウェット氏所有のノースウエストロンドンのペントハウスにある彼のスタジオにこもり、サロは今回のキャットウォーク・デビューに向けて休む暇なく最後の仕上げに励んでいた。

swissinfo : あなたのスタイルを特徴づけているもの、「サロ ( SARO ) 」というブランドをユニークにしているものは何でしょう。

サロ : 裁断方法にあると思います。普通、デザイナーはデッサン画から服作りを開始しますが、わたしにとって一般的な裁断方法は実に難しいやり方です。そこで、直接パターン ( 型紙 ) 作りから始めたり、マネキンに布を当ててそこから寸法を採るやり方をします。

また、各パーツを最小限にとどめシンプルにすることをいつも心がけています。そうすれば、昔からあるジャケットやスカートのパターンを取り入れ、不必要な部分をすべて取り去ってみることもできるでしょう。テーブルの上にパターンを置いて、どうしたら自分らしい形に変えられるか、仕上がった作品を着た時にもっと面白く見せられるにはどうしたらいいかをあれこれと試します。その際、脇の縫い目や脇のファスナーを取ってしまうこともあります。

swissinfo : 特に影響や刺激を受けたデザイナーはいますか。

サロ : ファッション雑誌を見始めた当初、イッセイ・ミヤケが好きなデザイナーでした。彼の生地の扱い方が好きですし、彼のデザインはまさにわたしが考えていたことが正しいと示してくれました。彼もまた布を体に当てながらデザインを始めます。

また、ここ数年間一緒に働いているヴィヴィアンとも面白い共通点があります。わたしがロンドンに来た頃は、彼女についてあまり知りませんでした。フランスのファッション・スクールでは彼女のスタイルはほとんど取り上げられないのです。ですから、わたしたちのファッションへのアプローチが似ていることを知った時は嬉しい驚きでした。それから、ミヤケ氏がヴィヴィアンから非常に大きな影響を受けた、少なくとも互いに深く称賛しあう仲だということも知りました。ですから、わたしのデザイナーとしての技術を確かなものにしてくれる場所として、ロンドンは特に都合がいいのです。

swissinfo : ファッション界でスイス人デザイナーは高く評価されていますか。

サロ : それほどではありません。もちろん「アクリス ( Akris ) 」の評価は高いです。彼らはスイス製の生地やシルクを扱っています。確かにスイスは最高級の布地を作っていますから、この点ではスイスはファッション界に実に大きな影響力を持っています。

swissinfo : デザインとファッションの世界に情熱を感じ始めたのはいつごろですか。

サロ : 若い時はスノーボードとウィンドサーフィンに夢中でした。10代中頃から後半になってチューリヒでよく遊ぶようになるまで、ファッションにはあまり興味がありませんでした。友だちもわたしもお金がなかったので、Tシャツやジャケットを自分たちで作り始めました。どう考えても高価なデザイナーブランドの服を買うことはできませんでしたが、それでも自分たちを格好良く見せたかったのです。

チューリヒを歩いているほかの若者とは違った服で、できればもっと面白く見せようと夢中になり、わたしはすっかり服作りのとりこになってしまいました。最高の時期でした。みんながわたしの作った服を誉めてくれ、デザイナーになるべきだと言ってくれました。でも、わたしにとってファッションデザイナーとは、ジョン・ガリアーノであったりカール・ラガーフェルドのような人たちでした。彼らはファッション界の重鎮だということは知っていましたが、実際に何をしているかは知りませんでした。デザイナーという仕事に関してまったく知識がなかったのです。

でも不思議なことに、パリに行く前から、いつか自分のブランドを持つことを予感していました。また、SAROのロゴはチューリヒ時代に仲の良い友達がデザインしてくれたものです。

swissinfo : ここにたどり着くまでにあなたの支えになったものは何でしょう。

サロ : 数多くの幸運に恵まれました。また、どんな時でも自分の夢を追ってきましたし、自分の欲しいものがはっきりしたらほとんど動じることはありませんでした。違うことに挑戦する勇気や前進する意地もありますし「自分にはできる」と信じて夢を実現させる意志力もあります。

とはいえ、ものすごく大変な仕事です。ファッションショー本番が迫るこの数週間は特にです。毎日ミーティングが4、5回あります。例えば、今回使う帽子を頼んでいる業者との確認作業、バッグ製造者との打ち合わせ、プロダクションチームとのショーとその後のパーティに関する詳細の話し合いです。生地も注文しなければいけませんし、その上、いつもスタジオに戻ってパターンカッターの手伝いをするようにしています。素晴らしいサポート陣に囲まれているにもかかわらず、日々仕事が順調にいくように走り回るのはわたしの役目なのです。

それから、2010年の春夏コレクションの構想も練らなければいけません。今回のコレクションは数年前から温めてきたものですが、次のコレクションのすべてのデザイン、生地、カラースキーム ( 色彩設計 ) はこの3カ月間で仕上げなければいけません。

swissinfo、アンドリュー・リトルジョン ロンドンにて 中村友紀 ( なかむら ゆき ) 訳

ロンドン・ファッション・ウィーク

イギリスで最も有名なイベントの1つ。今年の開催期間は2月20~25日。
毎シーズン、デザイナーはプレスや世界中から集まるバイヤーから成るプロの観客を前にコレクションを発表する。デザイナーと展示者は自然史博物館 ( Natural History Museum ) の特設テントとロンドン市内のそのほかの会場でショーを行う。
「英国ファッション協議会 ( British Fashion Council ) 」が主催しスポンサーによる出資で行われるロンドン・ファッション・ウィークは、直接の消費で見ると2000万ポンド ( 約27億円 ) の経済効果をロンドンにもたらし、約1億ポンド ( 約138億円 ) の注文が発生する。

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