ナビゲーション

ナビゲーションへ

グローバルメニュー

スイス暮らし40年

旧市街地の伝統ある住居のテラスから。チューリヒはマイヤー三四子東山さんにとってすっかり故郷となった

(swissinfo.ch)

チューリヒに住み続けて40年の日本人女性がいる。マイヤー三四子東山さん(71歳)だ。このほど彼女は自分の半生を振り返り『スイス暮らし40年』を執筆した。苦労話や失敗談が、海外に住みたいと思う若い人に参考になるのでは、という周囲の後押しもあっての出版だった。

 「息子に『人生の整理をしたら』などと言われたのです」と語るマイヤー東山さん。自分が死んだら、日本語の分からない家族には自分のものは処理できないだろうと思い立ち、引き出しの整理を始めた。そこで出てきたのが昔したためた手記だった。

 東京でスイスの工作機械の販売総代理店で働いていた東山さんに、チューリヒの本社で働かないかという嬉しい誘いがあった。チョコレートと山リンドウが彼女のためにテーブルの上に飾ってあり、大歓迎を受けたという記述から本は始まる。その後のアパート探し、大家とのやり取りなど、チューリヒに住む人々との日々が生き生きと記述されている。その当時、こまめに書き留めていたとはいえ、鮮明な記憶が頼りの自分史だ。住民運動に積極的に参加するという体験を通し「それまでお客様のようで、スイス人が焼いてくれたケーキを食べているだけなのだという引け目から解放され、チューリヒがわたしの故郷になったのです」

 スイス人の夫の実家は、リヒテンシュタイン公国のご用達でもあったランジェリーの老舗。結婚以来、旧市街地に住んでいる。今は高級ブティックやオフィスが幅を利かせ、住民は少ない。伝統を重んじる義父母との葛藤などについては、今後、できれば小説にでも書きたいと思っている。

swissinfo、聞き手 佐藤夕美(さとうゆうみ)

×