学術研究のトレンド
スイスには12の州立大学と連邦工科大学が2校あり、多数の分野で最先端の研究を行っている。
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連邦政府はスイス連邦科学財団(SNF/FNS)他のサイトへを通じ学術研究を支援。同財団は研究プログラムへの財政支援のほか、長期の研究方針に関するガイドラインを作成する。
連邦研究能力センター
スイス連邦科学財団は連邦研究能力センター(NFS/PRN)の枠組みを活用し、長期研究プロジェクトを推進している。
同センターは、スイス国内の経済、社会にとって戦略的に重要だとみなされる科学研究プロジェクトを担当。それぞれの拠点が大学や他の研究機関に置かれ、スイス国内の研究者たちを結ぶ。
国際的評価の高い優れた研究、知識や技術の移転、若い科学者の育成、女性研究者の活動促進などを目的としている。
2001年に導入され、現在は生命科学、環境、サステナビリティー、テクノロジー、情報、通信技術、社会科学、人文科学の分野で21件の研究が進む。
著名な研究機関
スイスには世界的に有名な研究機関が多数存在する。アールガウ州のパウル・シェラー研究所(PSI)他のサイトへは物理科学分野では欧州随一の研究機関。
ジュネーブ近郊にあるセルン(欧州合同素粒子原子核研究機構・CERN)は、宇宙を構成する素粒子を研究している。素粒子を光の速さまで加速させ、衝突させる。実験を行う加速器は地下にある。
この大型ハドロン衝突型加速器(LHC、2008年完成)では、素粒子がいかにしてその重さ(質量)を獲得するかを調べている。現在世界中で使用されているWorld Wide Web(ワールドワイドウェブ)は、セルンの科学者がコミュニケーションを容易にするため開発したツールだ。
チューリヒ近郊の自治体リュシリコン(Rüschlikon)には、IBMの欧州研究所がある。米企業が1956年に開設したこの研究所には、世界中の研究者が集まる。
当然ながら、山国スイスには山に特化した研究所もある。ダボスの連邦雪・雪崩研究所(SLF)もその一つ。同研究所は、連邦森林・降雪・国土研究所(WSL/SLF)の一部。
連邦雪・雪崩研究所の科学者は、雪、大気、雪崩などの自然災害、永久凍土、アルプスの生態系を研究。実地応用法を開発している。
スイスハウス
スイスの研究の成果を紹介し、国内外の大学、研究機関、企業をつなぐネットワーク「スイスネックス(swissnex)」、別名「スイス・ハウス」が設立された。
スイスネックスの第1号はボストン(2000年)、第2号はサンフランシスコ(03年)、第3号はシンガポール(04年開設、05年末に閉鎖)に開設された。今後は上海とインドのバンガロール(Bangalore)、ブラジルのリオデジャネイロでも開設が予定される。
スイスネックスは教育と研究のほかハイテク・ビジネスにも力も入れる。大学間の協力や大学生の交換留学を促進し、スイスの研究者が現地の教育イベントに参加できるよう支援するほか、スイスの科学研究を紹介する展示会も開く。

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