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第38回ローザンヌ国際バレエコンクール 男子参加者が女子を上回る

第37回コンクールで決勝戦に残り、コンテンポラリー・バリエーションを踊るジェミマ・ローズ・ディーンさん swissinfo

1月26日から始まる「第38回ローザンヌ国際バレエコンクール」の参加者はDVDの予選を通過した69人で、うち女子32人男子37人と、初めて男子数が女子数を上回る結果となっている。

このコンテンツは 2010/01/18 14:54
里信邦子 ( さとのぶ くにこ ), ローザンヌにて, swissinfo.ch

国別では日本人は男女合わせ16人で、中国人の14人を上回り最高の入選者を記録。さらに今年はコンテンポラリー・バリエーションに若手2人の振付家のものが導入されている。

中国勢の進出

男子が女子の参加数を上回った現象を事務局長のパトリシア・ルロワ氏は、今年だけが例外なのかそれともこうした傾向が続くのか、今後数年間を見なければ何とも言えないと前置きしながらも
「一つの仮説として、男子のプロダンサーは社会により受け入れられるようになってきており、また親たちも男の子がダンサーになることに反対しなくなってきている。その背景には、男子ダンサーのダンスでの役割が重要性を増し、表現も豊かになってきているからではないか」
と話す。

男子は特に、日本人も8人参加するが中国からも8人参加し、フランス2人、スペイン2人、アメリカ3人などをかんがみると、中国勢と日本勢がせめぎ合う場面も予想される。

ところで今年はスイスが中国と国交を結んだ60周年を記念し、決勝戦の最後の日曜31日に上海バレエスクールの生徒たちが公演を行う。また以前ほぼ毎年審査員には日本人が1人参加していたが、今年は中国から「中国ナショナルバレエ( NBC ) 」の校長ツァオ・ルエング氏が参加。

この理由をルロワ氏は
「かつて創設者ブランシュバイグ氏は日本の若いダンサーを育てるため、日本でローザンヌコンクールの知名度が高まるようにと東京に事務所も置き、審査員も日本人を毎年登用した。その成果が実り、日本人の参加者は毎年圧倒的多数になった。今後数年は同じことを中国とラテンアメリカで行いたい。そのため今年は中国とアルゼンチンから審査員を招待した」
と語る。

男女ともに使える作品

一方、今年のコンテンポラリー・バリエーションは、昨年のジョン・ノイマイヤー氏のものから2人の若手振付家のものに変わった。

ローザンヌコンクールでは10年前からコンテンポラリーには若手を起用し、コンクール参加者と一緒に作品を「作り上げるような方向」を取ってきたが、4年前に一度中断し、熟練のキリアン氏とノイマイヤー氏にそれぞれ2年ずつ作品を依頼した。「今回はそのちょうど中間の、若いが世界的によく知られた2人を採用した」とルロワ氏は言う。

その1人クリストフ・ウイールドン氏はローザンヌコンクールの優勝者で、現在ニューヨークで活躍する。作風はクラシックを基本に「クラシックに新しい形を取り入れ変化させる、いわばネオクラシック風」だ。

もう一人の若手女性キャッシー・マーストン氏は、ロイヤルバレエスクールで学んだ後チューリヒやルツェルンで活躍。一度ロンドンに戻った後、現在ベルンのバレエスクールの校長を務める。作風はウイールドン氏のものとは対象的に、素足で床の上で回転、床に片方の肩を付き起き上るなど床を使った水平な動きが多く非常に現代的。また
「男子と女子両方が踊れる作品を二つ提示しているように、踊り手に要求されているのは、女性的または男性的なニュアンスではなく、体の動きそのものだけだ。その意味でも非常にコンテンポラリーだ」
と、事務局で「アーティスティック委員会」を担当するサラ・ゲルマン氏もその現代性を強調する。

また、両氏のコンテンポラリー作品はローザンヌ用に特別に創作されたものではなく、上演作品からの直接の抜粋で「技術的にプロのものだ」とゲルマン氏は付け加える。いずれにせよ、コンテンポラリー・バリエーションが、クラシック・バリエーションと同等の割合でカウントされることは昨年と同じだ。練習期間中のクラシックとコンテンポラリーのバリエーションの点数がそれぞれ4分の1ずつ、またこの2つのバリエーションの完成度がそれぞれ4分の1ずつ計算され、練習最終日の点数と合わせ決勝進出者約20人が選ばれる。

採点の基準は昨年同様、才能、身体面、思い切って挑戦しその結果を受け入れる態度、ダイナミックなさまざまな動きを理解し再現できること、技術的に安定していて動きのコーディネーションなどでも優れていることが挙げられている。

第38回ローザンヌ国際バレエコンクール

1973年ローザンヌで創設された「ローザンヌ国際バレエコンクール ( いわゆるプリ・ド・ローザンヌ) 」は、15~18歳の若いダンサーを対象にした世界で唯一の国際コンクール。その目的は、伸びる才能を見出し、その成長を助けることにある。「英国ロイヤル・バレエ・スクール」、「スクール・オブ・アメリカン・バレエ」など、世界60カ国以上の学校、バレエ団が協力している。

36カ国226人の候補者の中から昨年10月のDVD 審査で選ばれた69人が、1月26日~31日の第38回コンクール大会に臨む。その内訳は女子32人男子37人で、初めて男子数が女子数を上回った。

コンクールでは昨年と同様、2つの年齢グループ( 15、16歳と17、18歳 ) に分かれて3日間の練習を行い、練習点と完成度の点の合計で、練習最終日の1月30日に決勝進出者約20人が選抜される。

決勝では20人の中から約7人の入賞者が選ばれ、同額の奨学金を受け取り一流の国際的バレエ学校やカンパニーに留学する。決勝進出に選ばれなかった参加者も最終日のオーディションで、コンクールに協力するバレエ学校やバレエカンパニーから招待を受ける場合が多い。

今年はコンテンポラリー・バリエーションに2人の若手振付家、クリストフ・ウイールドン氏とキャッシー・マーストン氏の作品が選ばれた。

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