難民申請

Keystone / Peter Schneider

スイスは誰でも迫害からの保護を受けるために難民申請をできるが、申請者は難民という立場を証明するか、少なくとも信頼できる形で説明しなければならない。

スイス難民法は難民という用語を定義し、亡命できる・できない条件を明示する。

同法は「特に本質的な点で根拠がない、本来的に矛盾がある、事実に即していない、偽造・改ざんされた証拠を根拠としているような事案は、信頼性があるとはいえない」とする。

申請の条件

難民を申請できるのは以下のケース。

国外からスイスでの難民申請を出すことはできない。だがスイスで難民申請をしたい人は、スイスの外交代表部で査証(ビザ)を申請できる。この場合、スイスがビザの発行を保証するべきという説得力のある理由が存在するかどうか、大使館または領事館が判断する。

既に母国を離れて第三国に滞在している人は、重大な危険にさらされているとはみなされず、庇護の対象にならない。人道ビザは取得が難しい。

スイスはダブリン規約の加盟国であることには注意が必要だ。難民申請の希望者はヨーロッパで最初に到着した国で指紋を徴取しヒアリングを行うと取り決めたものだ。その後申請者が他の欧州連合(EU)・欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国に移ってそこで再び難民申請した場合、原則として最初に申請した国に送り返さなければならない。ただスイスはその例外扱いされてきた。

難民登録

入国方法にかかわらず、難民申請者は連邦移民事務局の国内6カ所ある受付・手続きセンターのうちいずれかに報告しなければならない。

その後、申請者は自分の個人情報や入国の日にち、難民申請の動機について質問を受ける。過去に別の名前を使ってスイスに難民を申請したことがないかどうか確認するため、指紋と写真を撮られる。

スイス当局はまたEU加盟国やノルウェー、リヒテンシュタイン、アイスランドのデータベースEurodacに申請者の指紋が登録されていないかを確認する。

スイスの有権者は2016年6月の国民投票で、スイスでの難民申請手続きを迅速化する連邦政府の計画を可決。迅速化計画は19年3月1日から実行に移されている。

単純な難民申請の大半は、最大5千人を収容できる連邦政府の新しい受付センターで処理される。申請中の人も無料の法的支援を受けられる。

申請者はまず連邦受付センターに収容される。連邦政府は、追加調査(手続き延長)が必要でない限り140日以内に判断を下すことを目標としている。

申請者の収容所には、聴聞官や通訳、書類審査官、法定代理人が駐在する事務所も併設されている。

テロリストが難民申請者を装ってスイスに入国するのを防ぐために、移民事務局はリスクの高い国から入国した申請者の書類を全て連邦諜報機関に引き渡す。どの国が高リスクとみなされるかは機密情報だ。

スイスが2019年に受領した難民申請は1万4269件と、12年ぶりの低水準となった。

却下

難民申請が信頼できない場合、難民法で定められている迫害の危険があると認められない場合、申請は却下される。

申請が却下された申請者はスイスを去らなければならないが、原則として数日から6カ月の猶予期間が与えられる。自発的に出国しない場合、警察によって強制送還される。違法にスイスに留まれば捜査の対象になる。

却下された申請者は連邦行政裁判所に異議を申し立てる権利がある。

難民とは認められないが帰国する選択肢がない場合、移民事務局がスイスへの短期滞在を命じることができる。祖国がシリアのように政情不安を抱える場合や迫害される危険がある場合、必要な医療を受けられない場合などがこれに当たる。

生計を立てる

スイスでは、認定された難民、一時的に認定された難民、一時的な在留認定者では、それぞれ規則が異なる。

難民および社会福祉を受けている仮滞在者は、統合プログラムか職業訓練プログラムに参加する義務が課される場合がある。正当な理由なしに参加しない場合、社会支援が減らされる可能性がある。

難民申請者は、申請後3カ月は働くことができない。労働禁止期間は6カ月まで延長されることがある。スイスでの労働に関する情報州の移民局・労働局の住所は、これらのリンクを参照することができる。

スイス連邦憲法のもと、難民申請を却下された申請者は出国するまで緊急支援を受ける権利がある。

家族の同伴

難民申請手続きの全過程を通して、申請者は家族をスイスに連れてくることができない。

承認された難民(BまたはC滞在許可証保有者)は、特に支障がなければ家族を呼び寄せることができる。F許可(一時入国者)を保有する難民は、3年経たなければ配偶者と18歳未満の子供を呼び寄せることができない。

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