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12月は光の祭り



ジュネーブのイギリス公園の飾り「スプリッチ、スプラッチ」

ジュネーブのイギリス公園の飾り「スプリッチ、スプラッチ」

(swissinfo.ch)

12月の暗く長い夜に行われるクリスマスは、キリストの誕生を祝う宗教的祭りであると同時に光の祭りとも表現される。古くはろうそくの光がクリスマスツリーや家々の飾りに使われた。今はイルミネーションが街を飾る。

ジュネーブでは、この時期に大木を光で飾るユニークな「木と光のフェスティバル」が開催される。その芸術的光と調和するブルーダイヤモンドのような街全体のイルミネーションも好評だ。一方チューリヒでは、リサイクペットポトルのイルミネーションが登場し話題を呼んでいる。

ジュネーブの「木と光のフェスティバル」

 レマン湖畔のイギリス公園 ( Jardin Anglais ) では、ピンク、黄色、青、緑とさまざまな色の巨大な光のボールが木々を飾り、おとぎの国に迷い込んだようだ。向かいのモンブラン岸( Quai du Mont-Blanc ) のプラタナスの木々には、蛍光灯の長いチューブが八つの方向に花びらが開いたように取り付けられている。

 ジュネーブの「木と光のフェスティバル ( Festival Arbres & Lumières ) 」は、「木を光で飾る」、または「木と光の関係」をテーマに世界のアーティスト十数人がレマン湖畔を中心にした並木や公園内など十数カ所にさまざまなインスタレーションを行った企画だ。

モンブラン岸をさらに進んだロトンド・デュ・モンブラン ( Rotonde du Mont-Blanc ) には、円錐の頭を切り取ったように剪定 ( せんてい ) された木を人に見立てて、取り付けられた大きな首飾りやネクタイの形が光に反射している。
「ジュネーブのレマン湖畔は美しく、多くの人が通る場所。12月の暗い、しかしクリスマスで浮き立つ月に、葉を落とした木々を光で飾りアートとして表現しようとした」
 とフェスティバルの開催者、ニコラ・マビル氏は言う。

 今年9年目を迎える木と光のアート展は、ルクセンブルクで1度開催された以外世界で唯一の催しだ。世界中から応募する光のアーティストの中から今年はフランス、ドイツ、ルクセンブルク、スイスなどの11人が選ばれた。数年前にはギリシャや中国のアーティストも応募し、「今後こうした光のフェスティバルを世界に広げたい」とマビル氏は言う。

 当初のコンセプトは12月の暗い夜を光で飾る「光の祭り」で、ジュネーブ市内の大木は単なる飾りを吊り下げる対象に過ぎなかった。タイトルも単に「クリスマスツリー・フェスティバル」だった。

 その後コンセプトは変化し、光の祭りであることに変わりはないが、日常の生活に溶け込んでいる並木などをアートに変貌させ、街における木の在り方など環境問題も考えるようになってほしいと願っている。

 ところで近年、環境に優しいエネルギー使用はプロジェクトの重要な選考基準になり、例えば今年選ばれたベルグ広場の「バイバイ・エジソン」には日中ソーラーパネルで蓄えられた電気を使っているとマビル氏は強調する。これは電球を発明したエジソンに敬意を表し、巨大な電球を木の枝の間にバランス良く載せたプロジェクトだ。

小粒のダイヤモンドの光

 一方、街のさまざまな通りを飾る全体のイルミネーションは、昨年同様ムルカ・グロゴフスキー氏のアイデアで、「小粒のブルーに輝くダイヤモンド」が街全体に散りばめられたような印象を与える。
「イルミネーションが全面に出るのではなく、背景となって街を浮かび上がらせるように控えめだがピュアーな輝きの光を目指した。それはカルヴァン主義の街にふさわしい」
 と市の環境課のラウル・シュルンプフ氏は言う。

 細い通りには川の流れ、大通りにはシャンデリア風の飾り、坂道には緩やかに垂れ下がるリボンの形と、通りの性格によってデザインを変えているが同じ「ダイヤモンド」のような青白い光が基本の素材として使われ、街を支配する。また今年は街のあちこちにある噴水も同じ光で飾られ、
「子どもを連れて家族が夜にイルミネーションを見にわざわざやって来る」ほどに人気がある。環境面でも注意を払い、発光ダイオード( LED ) の電球を使用し、イルミネーションの全電力消費量は年間の街灯の全消費量の0.4%に過ぎないという。

 またこのイルミネーションは「木と光のフェスティバルのアーティステイックな光とうまくマッチし、ジュネーブはこの時期ヨーロッパでも例外的な素晴らしい光の祭典を提供している」とシュルンプフ氏は自慢する。
 

チューリヒのエコ・イルミネーション

 チューリヒ中央駅から西方向へ折れる通りをレーヴェン通り( Löwenstrasse ) という。ファッショナブルな百貨店などを中心に商店やオフィスが並ぶ。以前使っていたイルミネーションが使い古され壊れてしまい、クリスマスシーズンでも「暗い通り」に甘んじていた。新しく作るには先立つものが必要。不況の中、2007年から2年間かけて「レーヴェン通り商店街協会」は約450万円の資金を集め、今年になってやっと新しいイルミネーションを披露することができたという。

 LED のライトを芯として、8本の透明なペットボトルが放射線状にあしらわれ、直径約70センチメートルの星の花を思い起こさせるイルミネーションが900個、金、銀の色を発しながら通りを照らしている。通りの中心となる広場は赤、グリーン、ブルーなどカラフルな色に変化するようプログラムされている。

このペットボトルは、一度使用された後にリサイクリングされたもの。熱で形を変形させ1つの花に組み立てたのは、チューリヒ市から社会保護を受けている市民たちという。レーヴェン通り商店街のマルクス・マイヤー会長によると、11月下旬から1月初旬までの約1カ月半にかかる光熱費は500フラン ( 約4万4000円 ) と非常に安く上がる予定。徹底的なエコのクリスマスイルミネーションとして市民の反応も上々だという。

バーンホフ通り

 一方、レーヴェン通りと並行しているのがチューリヒの目抜き通りバーンホフ通り ( Bahnhofstrasse ) だ。高級ブティックが建ち並び東京の銀座と比較される。2005年の年末から、長さ7メートル、直径13センチメートルのLEDの白い棒275本が通り全体に吊るされるようになった。1列に並んだLEDの棒がカーテンを作り、その上に雪が降ったり、星がきらめいているような模様を光で浮き上がらせるという趣向だ。

 しかし、距離を置かないと模様の変化が効果的に見えないことや、LEDの光が冷たく感じられ伝統的なクリスマスの雰囲気とはかけ離れていることなどで、市民からは大不評。以前の数珠つなぎになった豆電球のイルミネーションを懐かしむ声が絶えなかった。
「芸術を理解するアーティストの評価は高かったのだが、市民は伝統的なイルミネーションを望んでいる」
とバーンホフ通り商店街協会のマルクス・ヘニック氏はその失敗を認める。

 結局、通りに居を構える大手銀行や有名ブランド店などから220万フラン ( 約2億円 ) の寄付を募り、変更することを決心した。こうして「ザ・ワールズ・ラージェスト・タイムピース」と鳴り物入りで発表されたイルミネーションは今年で終わる。来年からは
「やや伝統にのっとったものに。次回もLEDを使うが、雲をデザインしたカラフルに光を放つイルミネーションになるだろう」
 という。お隣のレーヴェン通りのマイヤー氏も「素晴らしいものになることを期待したい」と声援を送っている。

里信邦子 ( さとのぶ くにこ ) / ジュネーブ、佐藤夕美 ( さとうゆうみ ) / チューリヒ、swissinfo.ch

木と光のフェスティバル ( Festival Arbres & Lumières ) 展

「木を光で飾る」、または「木と光の関係」をテーマに世界のアーティストを十数人募集し、レマン湖畔を中心にした並木や公園内の十数カ所にインスタレーションを行う企画。

2001年から始まり、今年で9年目を迎える。街にクリスマスのイルミネーションが輝くときに木々を飾り、美しい光の祭りであると同時に、街の木の在り方や環境問題などを考える契機になることを意図している。

今年は、ドイツ、フランス、ルクセンブルクなどのアーティスト11人のプロジェクトが選ばれた。

2009年11月27日~2010年1月3日まで開催。ガイド付きのインスタレーション訪問が12月19日、22日、26日、29日、1月2日に行われる。ルソー島 ( Ile Rousseau ) に18時30分に集合。所要時間は約1時間。

フェスティバルの企画は「グラン・シュレム・マネジメント( Grand Chelem Management SA ) 」が行っている。

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