2023年11月5日、ベルン州リュムリゲンで観測された非常に明るいオーロラ
courtesy SRF MeteoBild / © Lukas Wyss, Wl Swiss Photography
スイスで5日、今秋2回目となるオーロラ(正式名称「オーロラ・ボレアリス」)が観測された。スイスアルプスでの観測は稀。太陽の活動が活発化する今後5年間で、観測の機会はさらに増えると期待されている。
このコンテンツが公開されたのは、
専門は気候変動と科学技術。気候変動が日常生活に及ぼす影響と科学的解決策に関心がある。
ロンドン生まれ。スイスとイギリスの二重国籍。現代語と翻訳を学んだ後、ジャーナリストとしての訓練を受け、2006年にswissinfo.chに入社。使用言語は英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語。
マルチメディア・チームの一員として、写真編集、写真選定、エディトリアルイラストレーション、ソーシャルメディアなど、画像全般を担当。
1997年から2002年までチューリヒとロンドンでグラフィックデザインを学ぶ。それ以来、グラフィックデザイナー、アートディレクター、フォトエディター、イラストレーターとして働く。
Simon Bradley (text), Helen James (photos)
-
English
en
Northern lights dazzle over Swiss Alps
原文
もっと読む Northern lights dazzle over Swiss Alps
-
Русский
ru
Всполохи северного сияния над Альпами в Швейцарии
もっと読む Всполохи северного сияния над Альпами в Швейцарии
何世紀にもわたり、人々は夜空を彩るこの「光のカーテン」を畏敬の念をもって見つめてきた。オーロラは、太陽表面の大規模な爆発現象「太陽フレア」で放出された、電子と陽子から成るプラズマ粒子(太陽風)が地球の高層大気とぶつかって光る現象だ。通常は北極や南極付近の緯度の高い場所で数時間にわたり観測される。
2023年11月5日、チューリヒ州バッサースドルフで撮影されたオーロラ
courtesy SRF MetoBild / © Robert Haasmann
大規模な太陽フレアによる大量の粒子で強い「磁気嵐」が発生すると、オーロラ帯が赤道側に移動し、通常では発生することのない、スイスのような低緯度の場所でも観測できることがある。
スイスでは9月25日未明と11月5日の午後6時~8時にかけて、オーロラが観測された。
動画提供:ルーカス・ヴィス、ベルン州ビュッシェル(独語圏スイス公共放送SRF)
2023年11月5日、ザンクト・ガレンのハーグーから見たオーロラ
courtesy; SRFMeteoBild / ©Tobias Baechi
オーロラの色は大気中のプラズマ粒子が相互作用するガス粒子の種類と、その高度によって異なる。酸素との相互作用からは緑色、窒素からは赤や紫色が発生することが多い。
2023年11月5日、チューリヒ州ウエルツリコンから見たオーロラ
courtesy SRFMeteoBild / © Michael Feld
スイスアルプスでのオーロラ観測は稀だ。独語圏スイス公共放送(SRF)は、5日に観測されたオーロラが9月よりもはっきりと見えたのは、太陽風が1立方センチメートルあたり約30個の粒子を含み、秒速500キロメートル以上と強かったためだと解説した。
SRFは太陽の活動が活発化する今後5年間は、観測の機会がさらに増えることが期待されると報じている。太陽活動を示す太陽黒点はより見えやすくなり、コロナ質量放出が起きる頻度も増えた。
「オーロラ」の正式名称は「オーロラ・ボレアリス」。1619年、イタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが、ローマ神話に登場する夜明けの女神オーロラと、ギリシャ神話に登場する北風の神ボレアスにちなんで名付けたと言われている。しかし、フランスで発見された3万年前の洞窟壁画は、オーロラ観測を描写したものだとも考えられている。
英語からの翻訳:大野瑠衣子
続きを読む
おすすめの記事
スイスでオーロラを観測 発生確率は1%
このコンテンツが公開されたのは、
25日午前1時頃、スイスでオーロラが観測された。スイス気象台(メテオススイス)によると、背景には活発な太陽活動が背景にある。
もっと読む スイスでオーロラを観測 発生確率は1%
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。