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三王礼拝と魔女ベファナ

「ベツレヘムの星」に導かれてビゴリオの修道院へやってきた3人の王様 Keystone

今日1月6日はキリスト教の三王礼拝の日。キリスト降誕の際、東方の三博士が星に導かれて幼いキリストを訪れた日とされている。

スイスのカトリック地域では三王礼拝の前夜から祝典が始まる。ティチーノ州の村々では、大勢の村人が集まって馬上の王様を暖かく迎え入れた。
 

プレゼントを配る魔女

 乾燥した厳寒の5日、ティチーノ州カプリアスカ谷 ( Val Capriasca ) にあるビゴリオ村 ( Bigorio ) では、大勢の子どもたちとその親が騎手の行列を待ち受けていた。この行列はカプチン会修道院へと向かう。集まった村人は、テッセレテ ( Tesserete ) から修道院まで王様とともに歩いていく。これがこの村の古くからの習慣だ。

 修道院に到着すると、修道士たちが訪問客を温かい飲み物と大きな焚き火でもてなしてくれる。そして、メルヒオル、カスパー、バルタザルの3博士の到着後には、ルガーノ湖を見下ろす修道院の小さなチャペルの中でミサが行われる。ティチーノ州のほかの土地でも、三王礼拝前夜や当日には同じような行列が通る。

 三王礼拝前夜はまた、わし鼻の魔女「ベファナ ( Befana ) 」が現れるときでもある。竹ぼうきにまたがって、1月5日から6日の夜に空を飛び回る。そして、煙突から家の中へと入り込み、用意されている靴下の中に菓子などを入れていく。

 ブリッサゴ ( Brissago ) の村では6日、ベファナをたたえて「魔女の水泳大会 ( Nodada de la Befana ) 」が開かれる。この行事は今年で10回目を迎えた。果敢な男女が氷のように冷たいマジョーレ湖 ( Lago Maggiore ) に飛び込み、ブリッサゴの港内を約80メートル泳ぐ。タイムも計らず、順位もつけないこの行事には、16歳以上の健康な人なら誰でも参加できる。

swissinfo.ch、外電

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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