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第41回ローザンヌ国際バレエコンクール


菅井円加さん旋風あとの、2013年ローザンヌバレエコンクール


里信邦子(さとのぶ くにこ)


まったく経験したことのないような動きを次々と提案された、昨年のコンテンポラリーのレッスンで ( prixdelausanne.org)

まったく経験したことのないような動きを次々と提案された、昨年のコンテンポラリーのレッスンで

( prixdelausanne.org)

菅井円加(すがいまどか)さんが1位で入賞を決め、日本中を沸かせた昨年第40回ローザンヌ国際バレエコンクール。今年はそのためか、日本国内からビデオ予選へ応募する人が増えた。結局、予選を通過した日本人は14人。このうち3人を送り出す「アクリ・堀本バレエアカデミー」の堀本美和さんに今年の抱負などを聞いた。

 堀本さん(48)は、埼玉市で夫のイタリア人ダンサー、マシモ・アクリさんとバレエ学校を経営する。スイスとも縁があり、以前はバーゼルの州立劇場で専属ダンサーを務めていた。

 「2013年の第41回コンクールで連続12年、ローザンヌに生徒を送り出す幸運に恵まれている」

 だが、単に送り出しているだけではない。入選者も輩出し、第39回コンクールでは加藤静流(しずる)君が5位で入賞。第37回コンクールでも水谷実喜さんが3位入賞を飾っている。

 2人とも、「若いのにクラシックの基礎がしっかりとできている上に、明るく素直で、向上しようとする前向きのエネルギーが自然に溢れているタイプ」と審査員から高い評価を得た。

積極的な子が残る

 今回第41回コンクールに参加するのは、堀本さんの二男シモン・アクリ君(16)、柳澤郁帆(かほ)さん(15)、鈴木絵美里さん(15)の3人。「みんな元気。パワーのある子ばかり」と堀本さん。3人は仲も良いので、相乗効果で全員のエネルギーが高まっていくところもあるらしい。

 過去入賞者を2人も出すという記録に輝く、アクリ・堀本バレエアカデミー。今回の3人も、入賞が大いに期待できるのでは?との問いに、意外にも「円加ちゃん(『佐々木三夏バレエアカデミー』所属)を見ていて自分のバレエ学校についてなど、色々反省した」との答えが返ってきた。

 

 昨年は、コンテンポラリーのコーチがいつもの女性のディディ・ヴェルトマン先生から、男性のトッド・ウイリアムズ先生に変わった。この新しい先生は太極拳のような動きを取り入れるなど、かなり難しいことを次々に生徒に要求。「日本の子は、知らない動きだとおじけづいてしまう場合が多い。でも円加ちゃんは、その難しい動きを素早くキャッチしていた。やはり、こんな風にコンテンポラリーの動きに慣れていて、かつ積極的に取り入れられる子が残るのだと思った」

 15歳から18歳と、精神的には大人と子どもほどの差がある年齢層が参加するローザンヌ。しかしなぜかアクリからはいつも若い15、16歳が参加してきている。

 「うちの生徒のように15歳や16歳だと、若いからまだ完ぺきではない。でも基本がしっかりとあって、これから外国で勉強したいと思う元気で積極的な子がローザンヌでは残り、また残っていくべきだと(円加ちゃんを見ていて)改めて思った」

日本人の良い所を自分で考える力

 また昨年は、第40回を記念して過去のローザンヌバレエ入賞者による特別バレエ公演(ガラ)が開催された。堀本さんはそれにも深く感動。そして改めて「欧米のダンサーは顔が小さくてスタイルが抜群な上、テクニックがしっかりとある。振り付けも良かった」と感じた。

 もちろん日本人も、スタイルが最近ぐんと良くなった。だが、どうしようもない身体的ハンディがあることも事実。だから「日本人の良い所を自分で考えて、それを出していける能力があること。頭を使って、その出し方を自分で工夫できることが(日本人ダンサーの)第1条件なのだ」と深く、もう一度反省したのだという。

 コンテンポラリーの重要性をここ数年感じている堀本さんは、「今回の3人にはコンテンポラリーのコンクールにも出させたりと、日頃からコンテンポラリーの動きに慣れさせてきた」

 さらに、幸いにも今回連れて行く3人は15歳と16歳とまだダンサーとしては子どもなのに、自分できちんと判断して積極的に動ける子たちばかりなのだそうだ。「だから、ローザンヌでは、私はご飯の心配だけして何も言わないつもり。そして私自身は、リラックスしてコンクールを楽しめると、今から思っている」

第41回ローザンヌ国際バレエコンクール

同コンクールはローザンヌで1973年、ブランシュバイグ夫妻によって創設された。15~18歳の若いダンサーを対象にした世界最高の国際コンクール。

若いダンザーの登竜門と言われる。その目的は伸びる才能を見出し、その成長を助けることにある。

第41回コンクールは、ローザンヌで2013年1月27日から2月2日まで行われる。

今回のコンクール出場者を決める予選は、2012年10月にビデオ審査で行われた。その結果、世界32カ国からの応募者254人(女子189人、男子65人)中、81人(女子41人、男子40人)が選ばれた。

日本からは、昨年に続き最多の14人(女子10人、男子4人)が選ばれた。14人のうち直接日本から参加するのは7人、残り7人は外国に留学中。

日本に次いで参加者が多いのは、中国からの12人、アメリカからの9人。

昨年と同様、二つの年齢グループ(15、16歳と17、18歳)に分かれて4日間の練習を行い、この練習の採点合計と2月1日の選抜の採点の合計で2月2日の決勝進出者が選ばれる。

決勝進出者の中から7~8人の入賞者が最終的に選出される。順位は一応あるものの、7人は同格とみなされ同額の奨学金を受け取る。

今年の特別な企画として、月曜日(2013年1月21日)から木曜日までの4日間の毎夕、審査員の1人がダンスについて語る講演会が開催される。

swissinfo.ch



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