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スイスのファースト・レディ、サッカーへの情熱を語る

FCバーゼルのオーナー兼筆頭株主であるギゼラ・エーリ氏 Keystone

スイスの強豪サッカー・チーム、FCバーゼルのオーナーはギゼラ・エーリ氏。スイスの主なサッカー・チームの中では唯一の女性オーナーである。愛称「ギギ」の名で親しまれる。

このコンテンツは 2006/08/27 15:25

彼女のサッカーへの情熱は、人形やテディベアへのものと同じくらい熱い。

FCバーゼルの筆頭株主であるギゼラ・エーリ氏は、2006年5月、クラブのバイス・オーナーからオーナーに就任した。エーリ氏によると、大きな変化と言えば、対戦相手の関係者やスイス・サッカー協会などの会合で忙しくなったことだとか。

wissinfo : FCバーゼルはあなたにとって何なのでしょうか。趣味ですか、情熱の対象ですか、それとも家族のような存在なのでしょうか。

エーリ : 基本的にはフルタイムの仕事です ( 笑 ) 。そしてもちろん、趣味でもありますし、情熱の対象でもありますし、家族でもあります。

平日のほとんどはFCバーゼルに関係することで埋められています。けれども、私は美術館やフィットネス・クラブも経営していますし、家族もいます。時にはその全てに時間をかけることが不可能なこともありますね。

swissinfo : どんなことがきっかけでプロ・サッカーの世界に足を踏み入れたのですか。

エーリ : 以前、体操選手として活躍していた私が、スポーツにはまったく無関係だった夫の家族に新風を吹き込んだというわけです。私が来るまで彼らは芸術と文化だけにお金を出していました。

まるで彼らは私のことを待っていたかのように、すぐスポーツ分野に興味を示したのです。ご存知かもしれないけれど、バーゼルではこれまでになくサッカーが文化の一部のように扱われているでしょ。これは1960年代から1970年代に演劇とサッカーの人気が、同時に最高潮に達した時以来のフィーバーです。

swissinfo : プロ・サッカーのような男性優位の世界で、唯一の女性オーナーであるわけですが、それについてはどうお考えですか。

エーリ : この質問は今までもさんざん聞かれてきました。残念なことに、確かに私のような立場はこれまでにありませんでしたからね。でも、金髪女性は賢くないというような偏見が、今ではだいぶなくなってきているので助かっています。

今では女性であるということは得なことですよ。多くの人は男性よりも丁寧に接してくれるし、特に会議などで1人でも女性が混ざっていると、男性だけの時よりも皆、礼儀正しくふるまうものです。

私はサッカーについて1つか2つ、物を知っている女性。それだけです。私にとっては男性とか女性とかいう問題は関係ありません。

swissinfo : テディベアのコレクションで有名な人形博物館も経営なさっているわけですが、サッカー・チームの経営とはずいぶん色が違いますね。

エーリ : あれは私の情熱の賜物です。私はのみの市で古い人形の家を探し出してきては復元するのが大好きでした。それが何年も経つうちにすごい量になってしまって、この宝物をしっかり家で管理することが難しくなってしまったのです。そこであわててバーゼルの中心部に博物館をオープンすることになってしまったというわけ。

サッカー・チームと人形博物館の経営は、分けて考えようと思っています。でも、気がついたらフェルトでできた人形サイズのサッカー選手がいたりするのよね。しかもそれが、貴重なコレクター・アイテムだったりして。

swissinfo : 去年はFCバーゼルにとってさんざんな年でしたね。いったい何が原因だったのでしょう。

エーリ : 確かにあまり良い年ではありませんでした。優勝を逃したし、観客の中で乱闘事件が起こって大変でした。でも悪いことだらけだった、というわけでもなかったのではないかしら。欧州連盟(UEFA)カップで準々決勝選まで進みましたし。他のスイスのチームでここまで成し遂げたところはなかったでしょう?

swissinfo : FCバーゼルとFCチューリヒの試合では、バーゼル・ファンの乱暴がきっかけで警察も出動する大事件になってしまいました。フーリガン問題はどのように解決しようと思っていますか。

エーリ : トラブル・メーカーをいかに排除するか、できる限りの努力をしています。けれども、だからといって2試合も無観客試合を課せられたことは納得できません。ファンが問題を起こしたからと言って、チームが罰せられるのは正しくないと思います。公にチームの選手が何かをして罪を問われたのならともかく。

フーリガン対策はサッカーにはつきものの問題で、FCバーゼルだけが責任を持って対策を講じろと言われても無理です。

私たちは暴力を未然に防ぐための法律制定に賛成です。特に、悪質なフーリガンの名前をデータベースで管理し、スポーツ・スタジアムに入れないようにするのは、良い対策だと思います。FCバーゼルは4年前にこの案を出しているのですが、情報保護法の壁があって実現しませんでした。

swissinfo : FCバーゼルは、ここ何年か、スイスの中では最も強いチームとされていますが、ヨーロッパの中ではあまり目立ちませんね。なぜでしょうか。

エーリ : 結果を見れば、私たちがヨーロッパの他のチームに引けを取らないことは明らかです。けれども彼らを大きく引き離すのは難しいですね。金銭面でも、収入面でも、組織力についても、たぶん、クラブ経営についても問題があるのだと思います。

隣のオーストリア・チームなどとは良く比較対照になっているようですが、やはりスペイン、イングランド、イタリアなどにはまだまだ追いつけません。

swissinfo : スイスに長く住まわれていますが、もともとはドイツのご出身ですよね。ワールドカップではどこの国を応援しましたか。

エーリ : 私のハートはドイツとスイスが両方入るくらい大きいので心配ご無用よ ( 笑 ) 。両国同士で戦わない限り、何の問題もありません ( 笑 ) 。

スイスとウクライナ戦では、スイスの選手がペナルティ・キックを決められなくて、かわいそうでしたね。でも私のドイツの友達に言ってやったのよ、「スイスの選手をあまり責めないでね。ペナルティ・キックを決められなかった選手は3人とも、もともとドイツのクラブチームに所属しているのよ」って。

私はワールドカップの試合を結構見に行って、その組織力に非常に感銘を受けました。スイスとオーストリアが共同開催する2008年のサッカー欧州選手権 ( ユーロ杯 ) に向けて、多くのことを参考にし、ぜひ成功させてほしいと思います。

swissinfo、ウルス・ガイサー バーゼルにて 遊佐弘美 ( ゆさ ひろみ ) 意訳

補足情報

-ギゼラ・エーリ氏は51歳、スイスとドイツの国境、南ドイツのショップフハイムで育った。彼女はスイスで最大の資産家の1人だと言われている
-FCバーゼルの筆頭株主であり、2006年5月にスイスで初めてサッカー・チームのオーナーに就任、すでにチームへの投資は何億円にものぼっている。
-バーゼルに人形博物館をオープンしたのは1998年。ヨーロッパで最大のテディベア・コレクションを誇る。
-さらに映画プロデューサーとしても活躍している。
-夫はスイスの製薬会社大手ロシュ社の経営権を持つアンドレア・エーリ氏。

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キーワード

バーゼル・ファンの乱闘事件:2005年5月、FCチューリヒとの試合終了後、バーゼルのファンがピッチに乱入、発炎筒などを選手に投げつけた。街中でも乱闘が続き、警察が催涙ガス、ゴム弾などを使って鎮圧。けが人は数百人、25人以上の逮捕者を出した。
FCバーゼルは2003年以来3回も国内優勝しており、UEFA杯に何度も出場した強豪チーム。

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