スイス最大の労働組合ウニアは4日、低・中所得層の賃金を維持したまま労働時間を「大幅に削減」するよう求める決議文をまとめた。
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ウニアの代表者60人超が4日、首都ベルンに集結。続いて発表外部リンクした決議文で、「欧州では、スイスほど重労働な国はほかにない。現在、フルタイムの被雇用者は週に平均41.7時間働いている」と訴えた。
また労働の強度とスピードが高まっており、ストレス関連の病気が増えていると指摘。「被雇用者は疲れすぎや病気になったり、労働市場から脱落したりしている」という。
ウニアは、フルタイムで週何時間働くべきかは定義しなかった。
週の労働時間は経済協力開発機構(OECD)加盟国平均で37時間。欧州連合(EU)の平均は31.1時間だ。
ウニアは「労働時間ばかり伸ばすのではなく、生きる時間を増やす」ことを求めた。生産性を向上させれば、その恩恵は結果的に本人に還元されるとした。
アイスランド、スウェーデン、ニュージーランドなど、世界中のいくつかの国や企業が労働時間を減らす実験を進めた。多くのケースで労働時間の短縮は生産性の向上につながった。
新型コロナウイルスの流行でロックダウン(都市封鎖)や自宅勤務を余儀なくされるなかで仕事と家庭の両立に焦点が当たり、労働時間の削減は大きな議論を呼んだ。
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