The Swiss voice in the world since 1935

FIFA、脱スイスに向け定款改正

チューリヒにある国際サッカー連盟(FIFA)の本部
チューリヒにある国際サッカー連盟(FIFA)の本部 KEYSTONE/KEYSTONE/Ennio Leanza

国際サッカー連盟(FIFA)は17日、本部をスイス・チューリヒ以外に移せるよう定款を改正した。

同日バンコクで開いた総会で、定款改正案を承認した。総会が決定するまでFIFA本部を引き続きスイスのチューリヒ市に置くことが新たに盛り込まれた。

※SWI swissinfo.chでは配信した記事を定期的にメールでお届けするニュースレターを発行しています。政治・経済・文化などの分野別や、「今週のトップ記事」のまとめなど、ご関心に応じてご購読いただけます。登録(無料)はこちらから。 

FIFA広報は独DPA通信に「加盟国が別の決定をしない限り、本部はチューリヒのままだ」と語り、ジュネーブやローザンヌにも多くのスポーツ・国際団体の本部が置かれていることにも言及した。「実際、我々は現在スイス国内の他の場所に支部を開設し、国内での存在感を拡大することを検討している」

「チューリヒに残って欲しい」

FIFAのスイス代表団は定款改正の採決に先立ち、賛成票を投じるか棄権すると発表した。スイスサッカー協会(SFA)のドミニク・ブラン会長は、チューリヒからの移転は残念だと語った。ドイツ語圏のスイス通信Keystone-SDAに「我々はFIFAと非常に良好な協力関係を築いており、本部はチューリヒに残ってほしいと考えている」と述べた。

チューリヒ市当局は16日、Keystone-SDAに対し、定款の改正について事前に知らされたが、移転計画については承知していないと明かした。FIFAは民間機関であるため、この問題についてこれ以上コメントしたくないとも語った。

パリ生まれチューリヒ育ち

FIFA は1904年にパリで創設されたが、 1932年にチューリヒに本部を移した。チューリヒ州法人登記簿には協会として登録されている。これまでにも移転観測が飛び交ったことはあるが、直近では昨秋、FIFAが100人以上のスタッフをマイアミに移す計画が公表された。2026年ワールドカップへの布石とされるが、ジャンニ・インファンティーノ会長に対する検察の捜査を逃れるためとの見方も浮上している。

最近ではパリなど海外に事務所を増やしている。法務部門はフロリダに拠点がある。FIFA広報はDPAに「FIFAは世界的な統括団体であり、マイアミ、パリ、ジャカルタなど世界中に事務所があるのは当然だ」と語った。

おすすめの記事

おすすめの記事

スイスの検事総長とFIFA汚職捜査をめぐる黒い歴史

このコンテンツが公開されたのは、 国際サッカー連盟(FIFA)会長との密会をめぐり、ラウバー検事総長の弾劾手続きが開かれることが決まった。ラウバー氏は連邦検察庁のトップとして、FIFAの汚職事件捜査を率いてきた。なぜこんな事態に発展したのか。

もっと読む スイスの検事総長とFIFA汚職捜査をめぐる黒い歴史

英語からのGoogle翻訳:ムートゥ朋子

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

バーゼルの路面電車

おすすめの記事

バーゼルで「カラオケ路面電車」走行 欧州歌合戦に合わせ

このコンテンツが公開されたのは、 5月11~17日の欧州国別対抗の音楽祭「ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト(ESC)」開催中、バーゼルでは「カラオケ・トラム(路面電車)」が運行する。ビンテージ車両で90分間かけて街を走る間、乗客は無料で歌い踊ることができる。

もっと読む バーゼルで「カラオケ路面電車」走行 欧州歌合戦に合わせ
大阪・関西万博

おすすめの記事

スイス外相、大阪・関西万博で結束と対話をアピール

このコンテンツが公開されたのは、 日本を公式訪問中のスイスのイグナツィオ・カシス外相は22日、2025年大阪・関西万博のスイス・ナショナルデーのオープニングセレモニーに出席し、結束と対話を呼びかけた。

もっと読む スイス外相、大阪・関西万博で結束と対話をアピール
クラウス・シュワブ氏

おすすめの記事

WEFのクラウス・シュワブ会長が辞任

このコンテンツが公開されたのは、 世界経済フォーラム(WEF)は21日、創設者で会長のクラウス・シュワブ氏が同日付で辞任したと発表した。

もっと読む WEFのクラウス・シュワブ会長が辞任
コーデリア・ベール

おすすめの記事

TIME誌、スイス人弁護士を「最も影響力のある100人」に選出

このコンテンツが公開されたのは、 米誌タイムズの「2025年最も影響力のある100人」に、弁護士コーデリア・ベール氏がスイス人女性では唯一ランクインした。ベール氏は気候訴訟で異例の勝訴判決を勝ち取った人物だ。

もっと読む TIME誌、スイス人弁護士を「最も影響力のある100人」に選出
卵の棚

おすすめの記事

ミグロ、スイス初の年中無休スーパーを開店へ

このコンテンツが公開されたのは、 スイス小売大手のミグロ(Migros)は14日、アッペンツェル・アウサーローデン準州ヘリザウにある1店舗を年中無休化すると発表した。

もっと読む ミグロ、スイス初の年中無休スーパーを開店へ

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部