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植物で心の安らぎ 自然を愛するスイス流ガーデニング

, チューリヒにて


エンツォ・エネアさんが手掛けた「和風の」庭。優れたモデルガーデンに贈られる「ジャルディーナ・アワード2013」最優秀賞に輝いた(MCH Messe Schweiz (Zürich) AG)

エンツォ・エネアさんが手掛けた「和風の」庭。優れたモデルガーデンに贈られる「ジャルディーナ・アワード2013」最優秀賞に輝いた(MCH Messe Schweiz (Zürich) AG)

スイス最大級のガーデニングメッセ「ジャルディーナ(Giardina)」が17日までチューリヒの「メッセ・チューリヒ」で開催中だ。昨年に続き、テーマは「庭で暮らす」。庭のある人にも、小さなベランダしかない人にも、限られた外の空間で自然を感じ、心和むための工夫が盛りだくさん。春の兆しが感じられるこの時期に、ぜひ訪れたいメッセだ。

 3万平方メートルを超す会場には、スイスなど8カ国から250の企業・団体が出展。木や花々をふんだんに使ったモデルガーデンから、ガーデニング用品や植物、野外用のテーブルセット、ジャグジーや防虫ネットにいたるまで、庭やベランダに関するものなら、ありとあらゆるものが展示されている。

  今年で15年目を迎えるジャルディーナは、1997年の開始当初から「プライベートな屋外空間に、心の安らぎを求める人々の要求に応えてきた」と、主催者のセバスティアン・ランリさんは話す。

  元来、スイスの庭は芝生がメインで、花壇にはバラやチューリップというのが多かった。しかし、近年では建物の屋上やアパートの小さなベランダで野菜やハーブを育てる「アーバン・ガーデニング」が流行するなど、自然をより身近に感じることで心の安らぎを得ようとする人が増えてきた。

  スイスの園芸協会「ジャルダン・スイス(JardinSuisse)」のカルロ・ヴェルツェリさんは言う。「緑に囲まれ、また緑と触れ合うことで、人はリラックスでき、体を動かそうという気になれる。庭は『庭仕事』をする場ではなく、『余暇を楽しむ』場でなくてはならない」

自然と調和する「和風」ガーデン

 会場1階には、中央に4、5メートルはある松の木を据えた公園風の庭や、同じく松を中心に周りを枝の細い木々で囲った庭など、さまざまなモデルガーデンが展示されている。

  中でも目を引くのが、90年代後半にスイスのガーデニング業界に新風を巻き起こしたと言われる造園設計士エンツォ・エネアさんが手掛けた庭だ。庭とリビングルームとの間には段差がなく、大きなガラス壁を横にスライドさせれば、自然美溢れる庭がまるで室内に溶け込んでいくかのような造りになっている。

  庭の中心には、石のプレートで囲われたプール。その後ろには、淡いピンク色の花が美しいツツジや、松、モミジが数本。明るい灰色の塀の裏側には、根本にラベンダーを敷き詰めた洋ナシ。日本庭園ほど木々が剪定(せんてい)されていないようには見えるが、その雰囲気はまるで和風だ。

  「確かに日本庭園から影響は受けた。しかし、日本原産の松は2本だけで、ほかはすべてスイスで自生する松を使用している」と、エネアさんは説明する。それに日本にはまだ行ったことがないという。

  和風の庭は最近の流行なのだろうか?「庭は流行に左右されるものではない。環境をも含めた個々の(独自な)場所がどのような庭になるかを決める。例えば、ブラジルに庭を造る場合でも、私はその土地の植物を使う。庭にデコレーションを施すのではなく、その土地の自然を庭に融合させる。庭のために外国から植物を輸入するなど、とんでもない話だ」

ジャルディーナ(Giardina)

スイス最大のガーデニングメッセ「ジャルディーナ」は、1997年にバーゼルで始まった。2004年以降はチューリヒで開催。

 昨年は5日間の開催期間中、6万人を超える来場者を記録。

 15回目となる今年、会場のメッセ・チューリヒ(Messe Zürich)では3万㎡の敷地に250の企業・団体が出展。

 モデルガーデンや各種ガーデニング用品・家具をはじめ、種苗などのさまざまな商品も販売。

 開催期間は3月13日から17日まで。

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小さなベランダでも家庭菜園

 見事に自然と調和し、ため息が出るほど美しいエネアさんの庭だが、集合住宅に暮らす一般庶民にはなかなか手が届きそうもない。しかし、「小さなベランダでも小型の鉢植えに野菜やハーブなどを育てることで、自然を間近に感じることができる」と、有機家庭菜園コーナーのエルスベート・フグさんは話す。

  このコーナーでは種々の有機ハーブが販売されている。「観賞用にゼラニウムを育てる人が多いけれど、その鉢と一緒にタイムやローズマリー、バジルなどを植えれば、チョウやハチがやって来て受粉をしてくれる」。特にハチの数は今、スイスでかなり減少しているので、こうしたひと工夫で自然に貢献ができるともいう。

  展示されたハーブのなかには、緑色の根元が丸く太った、変わった植物の苗も置かれていた。「それはカイソウ(海葱)といって、葉の汁はハチに刺されたときに効く」と、フグさんはコメントする。

愛でたくなるような植物

 会場には他にも、ジャルディーナのスポンサーであるシャンパン製造会社「ペリエ ジュエ(Perrier-Jouët)」のボトルデザインを手がけた東信(あずま まこと)さんによる、アネモネを使った生け花の作品が紹介されている。

  東さんは「店内に花を置かない花屋」として有名なフラワーアーティストだ。金属製の枠でできた立方体のなかに、生花のアネモネを空中に浮くように表現したその作品は、スイスのメディア関係者らの注目を集めた。

  「ドイツでの展示のために、盆栽を買いにわざわざスイスに来たことがある」という東さんは、スイスを訪れたのは今回で2回目。日本とスイスの庭には、あまり違いが感じられないという。

  庭やベランダでガーデニングを楽しむコツに、東さんは「人と植物との距離感が大事」と話す。「愛でたくなるような植物を選ぶといいんじゃないでしょうか。その植物が強いから育てるというのではなく、恋愛するような感じで。ただ、僕はどの植物も分け隔てなく愛していますが」

swissinfo.ch


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