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母親逮捕後、赤ちゃん自宅で餓死

ジュネーブで今月1日、母親が逮捕された後23日間自宅に残された16ヵ月の赤ちゃんが死んでいるのが発見された。死因は餓死。21日行われた葬儀には、スイス全土から約2000人の人が集まった。

16ヵ月のシルビアちゃんが餓死するまでの状況は明らかでない。シルビアちゃんの母親ポルトガル人のスサーナ(22)は窃盗・薬物中毒で逮捕歴があったが、5月8日携帯電話を盗んで逮捕された。逮捕後スサーナはシルビアちゃんが福祉施設に入れられるのを恐れ、シルビアちゃんの面倒を見てくれる人がいると警察に言っていたという。ところが、6月1日、アパートの隣人が異臭がすると警察に通報、警官がスサーナの部屋に入ったところ浴室でシルビアちゃんの遺体を発見した。シルビアちゃんは浴室で水を飲み、23日間生き延びたのではないかという報道もあるが、1才4ヵ月の幼児は浴室で自分で水を飲むには小さすぎる。シルビアちゃんの遺体発見後、母親のスサーナは幼児遺棄による殺人罪が問われている。が、本当に子供の世話をする人がいるかどうか確認を怠った警察と福祉サービスの責任を追求する声は大きい。

16ヵ月の子供が飲まず食わずで放っておかれたら、普通3日以上は生きていられないという。が、解剖の結果シルビアちゃんは10日間ほど生きていたとみられ、誰か時々は世話をしていた者がいたはずだという。

埋葬を見守るポルトガル人女性は「スイスの人達は犬が吠えてうるさいからと言って警察に通報する。が、赤ちゃんが泣き続けているからと通報する人なんて誰もいない。」と涙ぐみながら訴えた。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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