空港で押収の密猟ウナギ スイスの湖に放流へ
スイス連邦食品安全獣医局他のサイトへは、先月スイスの税関で差し押さえられたウナギの稚魚をスイス西部のムルテン湖に放流した。スイス通信が報じた。
このコンテンツは 2019/02/11
ウナギの稚魚はジュネーブ空港で押収され、7人の男性が逮捕された。現在、密漁の規模を特定するための調査が進められている。
発見された約13万匹のウナギの稚魚は、スーツケース6個に入れ違法に輸送中だった。空港ロビーで逮捕された7人の男性はシャン・ドロン刑務所に送られた。
日刊紙トリビューン・ド・ジュネーブが報じたこの事件を受け、チューリヒ空港では同様の密輸に関わった他の2人の逮捕につながった。
チューリヒで逮捕された密輸入者は、ウナギの稚魚11万匹を輸送中だった。専門家によれば、ウナギの稚魚は欧州の象牙と呼ばれているという。
サルガッソ海を起源とするウナギの稚魚は、生後3年経つとメキシコ湾流に乗って北アフリカと欧州の大西洋岸に移動し、淡水河川流域に入る。やがて性成熟に達した個体は再び海に降りてサルガッソ海に向かい、生涯一度きりの産卵を行う。
ウナギの稚魚はアフリカや欧州の河口で集中的に漁獲されている。稚魚は養殖場に販売されるか、珍味としてアジアに違法に輸出される。
過去30年間で約9割が姿を消したヨーロッパウナギは、絶滅危惧種のレッドリストに指定されている。また、ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)の附属書Ⅱに掲載され、国際取引が規制されている。
欧州連合(EU)ではヨーロッパウナギの輸出入が固く禁じられている。

JTI基準に準拠
現在この記事にコメントを残すことはできませんが、swissinfo.ch記者との議論の場はこちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。