昨年、スイスでは記録的な数の会社が設立された。オンライン起業プラットフォームのstartup.ch外部リンクによれば、その多くが急成長する「クリプト(暗号)バレー」地域に集中している。
このコンテンツが公開されたのは、
17年の起業数は4万3416社に達した、と話すのは起業に関する情報提供やコンサルタントを行うウェブサイトを運営するstartups.chだ。対前年比5%増はスイスでは間違いなく新記録だ。
最大の恩恵を受けたのは、スイスの中央に位置するツーク州、いわゆる「クリプトバレー」だ。17年、ツーク州では対前年比5倍近くもの数の会社が登記された。
従来、ツーク州は税率の低さで企業を誘致してきた。しかし、目下注目されているのはブロックチェーンや暗号通貨の分野での技術革新だ。
「ツーク州は、ビットコインによる納税を可能にしたことなどでこの分野で一躍有名になりました」とstartups.chの創設者でCEOのミケーレ・ブラスッチさんは話す。
起業数が大幅に伸びたその他の要因としては、17年を通して、スイスで全国的にブームとなった合法大麻ビジネスが挙げられるかもしれない。「毎週、CBD(カンナビジオール)製品を扱う2~3の会社を新たに登記しました」(ブラスッチさん)
スイス北部のアールガウ州やチューリヒ州、アルプス地方のヴァレー州でもスタートアップ企業数の増加が顕著だった一方で、イタリアとの国境にあるティチーノ州では7.5%減少した。ブラスッチさんは、税回避を防ぐ多国間情報交換制度が減少の原因ではないかと考える。
swissinfo.ch and agencies/dos
おすすめの記事
スイス飛行機事故、24%増 紛争地上空ではGPS妨害も
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦運輸省民間航空局(BAZL/OFAC)が3日発表した2023年の航空安全報告書によると、民間・小型航空機の事故件数は9995件と、前年から24%増加した。
もっと読む スイス飛行機事故、24%増 紛争地上空ではGPS妨害も
おすすめの記事
「気候活動家への団結心」見せた判事、類似事件への関与禁止 スイス最高裁
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦裁判所(最高裁)は先月26日、チューリヒ地方裁判所の判事の1人に対し、気候活動家に関する裁判への関与を禁じる判決を下した。この判事が過去の裁判で活動家への団結心を見せたとして、考え方に偏りがあると結論付けた。
もっと読む 「気候活動家への団結心」見せた判事、類似事件への関与禁止 スイス最高裁
おすすめの記事
スイス、2023年の実質賃金は0.4%低下
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦統計局は25日、2023年の名目賃金は1.7%上昇したと発表した。インフレ(年平均2.1%)に相殺され、実質賃金は0.4%低下した。
もっと読む スイス、2023年の実質賃金は0.4%低下
おすすめの記事
製薬大手ノバルティス、次期会長候補に米製薬BMS出身者選出
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの大手製薬ノバルティスは22日、2025年で任期満了となるヨルク・ラインハルト取締役会長の後任に、ジョバンニ・カフォリオ氏を選出すると発表した。
もっと読む 製薬大手ノバルティス、次期会長候補に米製薬BMS出身者選出
おすすめの記事
スイスで見つかったラムセス2世像破片、エジプトに到着
このコンテンツが公開されたのは、
エジプト考古省は21日、約30年前に盗まれ国外に流出したラムセス2世像の頭部破片が同国に到着したと発表した。
もっと読む スイスで見つかったラムセス2世像破片、エジプトに到着
おすすめの記事
スイス議会、G7のロシア資産追及チームへの参加を否決
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国民議会(下院)は17日、ロシアのオリガルヒ(新興財閥)の資産を追及する主要7カ国(G7)の国際作業部会には参加しないことを決めた。
もっと読む スイス議会、G7のロシア資産追及チームへの参加を否決
おすすめの記事
米・イラン、攻撃前に「スイスを通じて」接触
このコンテンツが公開されたのは、
米政府高官は14日、イランによるイスラエル攻撃の前後に、米国は利益代表国であるスイスを通じてイランと接触していたと述べた。
もっと読む 米・イラン、攻撃前に「スイスを通じて」接触
おすすめの記事
チューリヒ春祭りの雪男、強風で燃えず 歴史上初
このコンテンツが公開されたのは、
チューリヒの春祭り「セクセロイテン」が15日開かれた。巨大な「雪男」を燃やして夏の天気を占う恒例行事は強風により中止となった。
もっと読む チューリヒ春祭りの雪男、強風で燃えず 歴史上初
おすすめの記事
スイス政府、銀行規制の改革案を発表 UBSの資本要件強化へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス政府は10日、「大きすぎて潰せない(TBTF)」銀行に関する規制改革案を発表した。UBSと他の「システム上重要な銀行」3行は、破綻時のスイス経済への影響を抑えるためにより厳しい資本要件を課される必要があると述べた。
もっと読む スイス政府、銀行規制の改革案を発表 UBSの資本要件強化へ
おすすめの記事
新種のイカの化石、名前は発音が難しいスイスドイツ語に
このコンテンツが公開されたのは、
スイス南部ティチーノ州の約2億4200万年前の地層から新種のイカの化石が見つかり、「Chuchichäschtli(クッヒカーシュトリ、スイスドイツ語で『食器棚』)」と名付けられた。
もっと読む 新種のイカの化石、名前は発音が難しいスイスドイツ語に
続きを読む
おすすめの記事
電子たばこ、合法大麻の中毒リスク調査を NGOが指摘
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの非政府組織「アディクション・スイス」は、電子たばこや合法大麻の中毒リスクを正しく理解するため国が更なる調査を行い、新たな法的枠組みを作るべきだと呼びかけた。
もっと読む 電子たばこ、合法大麻の中毒リスク調査を NGOが指摘
おすすめの記事
スイスのスタートアップ企業が切り開く新たなビジネス
このコンテンツが公開されたのは、
ベンチャー企業などが仮想通貨を売って事業資金を得る手法「イニシャル・コイン・オファリング(ICO)」の勢いはさながらゴールド・ラッシュのようだ。旧来の資金調達方法に比べて規制がなく、スイス企業も先頭に立ってその波に乗る。
もっと読む スイスのスタートアップ企業が切り開く新たなビジネス
おすすめの記事
ビットコイン関連ベンチャー スイスで勢い
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国立銀行(中央銀行)が1月15日にスイスフランの対ユーロ上限廃止を発表し、フランが急上昇すると、ビットコインの熱烈な支持者たちはインターネット上に「だから言っただろう」と言いたげなコメントを寄せた。 2013年…
もっと読む ビットコイン関連ベンチャー スイスで勢い
おすすめの記事
スイス、フィンテックに配慮し銀行法改正
このコンテンツが公開されたのは、
世界のフィンテックの中心地を目指すスイス。政府はフィンテックへの規制緩和でスタートアップの起業を促進する。この穏健な規制により、フィンテック企業はクラウドファンディングで資金調達しやすくなった。銀行免許を取得せずにニッチな金融サービスを始めるための道も開けた。
もっと読む スイス、フィンテックに配慮し銀行法改正
おすすめの記事
スイス南部キアッソでビットコイン納税が可能に
このコンテンツが公開されたのは、
スイスはフィンテックや仮想通貨(暗号通貨)のスタートアップ企業の国際的なハブになろうと、さまざまな取り組みを徐々に増やしている。イタリアとの国境の町キアッソで、ついにビットコインで納税することが可能になる。
キアッソは来年初めから、納税額のうち250フラン(約2万8千円)までビットコインで受け付けると発表した。
もっと読む スイス南部キアッソでビットコイン納税が可能に
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。