スイスの視点を10言語で

原発回帰に傾くスイス世論 「新増設に賛成」5割超

ミューレベルク原発
ベルン州にあるミューレベルク原発 © Keystone / Christian Beutler

世論調査会社ソトモがスイス国内で実施した最新調査で、回答者の半数以上が、電力不足の回避に原子力発電が重要だと考えていることが分かった。独語圏の日刊紙ブリックが13日に報じた。

スイス在住の回答者9千人のうち、55%が「電力不足の解消に重要な役割を果たすのは原子力発電」だと回答外部リンクした。また、2037年までにスイスの全原発の停止を求める緑の党を支持しないと答えた回答者は64%に上った。「国の電力確保に原発の早期新増設を行うべきか」という問いに対しては、回答者の56%が「賛成」「どちらかといえば賛成」と答えた。

ミューレベルク原発停止 解体作業は順調

エネルギー危機を踏まえ支持する声は高まったが、原発は依然として太陽光発電と風力発電に次ぐ3番目の選択肢にとどまっている。電力不足を防ぐために優先すべき発電方法として最も回答が多かったのは太陽光発電システムの77%で、次に大型風力発電の74%だった。

また、回答者の3分の2はアルプス山脈での大規模な水力発電の開発プロジェクトを支持している。

英語からの翻訳:大野瑠衣子

ニュース

英語でスイスと書かれたステージでパフォーマンスをするノンバイナリー男性

おすすめの記事

ユーロビジョン、「ノンバイナリー」自認のスイス代表優勝 イスラエル参加に抗議も

このコンテンツが公開されたのは、 欧州国別対抗の音楽祭「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」の決勝が11日、スウェーデン南部マルメで行われ、「ノンバイナリー」を自認するスイス代表のNemo(24)が優勝した。会場周辺ではイスラエル参加に対する大規模な抗議活動も行われた。

もっと読む ユーロビジョン、「ノンバイナリー」自認のスイス代表優勝 イスラエル参加に抗議も
ビクトリノックスのアーミーナイフ製造現場

おすすめの記事

ビクトリノックス、刃のないアーミーナイフを開発

このコンテンツが公開されたのは、 スイスアーミーナイフの製造で知られるビクトリノックス社は、世界で広まるナイフ規制強化の波に対応するため、刃のないモデルの開発に取り組んでいる。カール・エルズナー最高経営責任者(CEO)がスイス紙のインタビューで明かした。

もっと読む ビクトリノックス、刃のないアーミーナイフを開発
管制室

おすすめの記事

スイス飛行機事故、24%増 紛争地上空ではGPS妨害も

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦運輸省民間航空局(BAZL/OFAC)が3日発表した2023年の航空安全報告書によると、民間・小型航空機の事故件数は9995件と、前年から24%増加した。

もっと読む スイス飛行機事故、24%増 紛争地上空ではGPS妨害も
裁判所のドア

おすすめの記事

「気候活動家への団結心」見せた判事、類似事件への関与禁止 スイス最高裁

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦裁判所(最高裁)は先月26日、チューリヒ地方裁判所の判事の1人に対し、気候活動家に関する裁判への関与を禁じる判決を下した。この判事が過去の裁判で活動家への団結心を見せたとして、考え方に偏りがあると結論付けた。

もっと読む 「気候活動家への団結心」見せた判事、類似事件への関与禁止 スイス最高裁
財布からお金を取り出す人

おすすめの記事

スイス、2023年の実質賃金は0.4%低下

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦統計局は25日、2023年の名目賃金は1.7%上昇したと発表した。インフレ(年平均2.1%)に相殺され、実質賃金は0.4%低下した。

もっと読む スイス、2023年の実質賃金は0.4%低下
対空防衛システム

おすすめの記事

米・イラン、攻撃前に「スイスを通じて」接触

このコンテンツが公開されたのは、 米政府高官は14日、イランによるイスラエル攻撃の前後に、米国は利益代表国であるスイスを通じてイランと接触していたと述べた。

もっと読む 米・イラン、攻撃前に「スイスを通じて」接触

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部