スイス連邦政府は新型コロナウイルスに伴う休校、店舗営業停止といったロックダウン(都市封鎖)を段階的に緩和することを決め、具体的な順序の検討に入った。ただシモネッタ・ソマルーガ大統領は12日、ドイツ語圏の日曜紙に対し緩和には綿密な保護プランが必要だと強調した。
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ゾンタークス・ブリックが報じた。ソマルーガ大統領は緩和の前提条件として、これ以上症例者数が増加しないことを挙げた。さらに、感染のピークに達したかどうかを見極めるのは時期尚早だとも述べた。
ロックダウン緩和にあたり、検討課題となってくるのはマスク着用の在り方や検査件数などで、緩和後に高リスクのグループを隔離することは考えていないと述べた。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にかかるリスクが高いのは、65歳以上の人やがん、糖尿病、高血圧などの持病がある人だ。 ソマルーガ氏は「非常にたくさんの人がこれに該当する」とし「これらのグループを社会から完全に切り離すことは現実的ではない」と述べた。
ソマルーガ氏は、世界的なコロナ危機に対する政府の対応が、あまりも早急だったり、また遅すぎないよう措置を講じてきたと強調。経済援助では賃金補償や企業への緊急融資など、歴史的な規模の財政出動を打ち出した。
スイスの新規感染者数はここ数日、1日当たり500~700人で推移し、総数は2万5千人を超えた。死亡者数は1000人を超え、パンデミックの影響を最も受けた国の1つになっている。
政府は16日、段階的な緩和措置の詳細を発表する予定。欧州諸国では、緩和をすでに始めているところもある。
イースター休暇は?
10日~13日のイースター休暇中、国民の多くは政府の外出自粛令をきちんと守ったようだ。一方で若者が摘発されるケースもあった。
ザンクト・ガレン州警察によると、措置を守らなかったのは家族連れが多かった。目立ったのが、複数の家族が一緒に外出し「5人を超える集まりは禁止」という政府の措置を違反したケースだ。ただ国民の多くは暖かく晴天に恵まれた休暇を自宅などで過ごした。
ドイツ語圏のスイス公共放送ラジオ(SRF)によると、道路交通量も例年より少なかった。ウーリ州ゲシェネンからスイス南部ティチーノ州アイロロへ通過するゴッタルド道路トンネルは毎年、休暇を南部で過ごす行楽客の車で渋滞するが、初日の車の数は約1800台。ウーリ州警察によると、例年のピーク時の10%未満だった。
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