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主催者が地面の密度と固さをチェック。馬にとって良くない状態だと判断された場合、馬主がレースを辞退することも(Thomas Kern/swissinfo.ch)
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土曜日のレース前。観客席を水ぶきしてきれいにし、一大イベントに備える(Thomas Kern/swissinfo)
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アーラウの競馬場事務所には競馬界のレジェド、英国人騎手レスター・ピゴットの写真が飾られている。彼は1960年代、この競馬場でグランプリレースに出場。現在の競馬場の形状はその当時と全く同じだ(Thomas Kern/swissinfo.ch)
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コンクリートの観客席ができたのが1947年。96年には新しいスタンドができた。コンクリートの屋根が1700席を覆う(Thomas Kern/swissinfo.ch)
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出走馬が世話係に連れられ仮設馬小屋の指定ボックスへ入る(Thomas Kern/swissinfo.ch)
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開催日は若手騎手のレースから始まる。ポニーのレースが2回。いずれも襲歩(ギャロップ)形式で行われる(Thomas Kern/swissinfo.ch)
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友人と一緒に馬の出走準備をする騎手。この騎手は2回目のポニーレースに出場し、約1400メートルの距離を走る(Thomas Kern/swissinfo.ch)
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レース開催日、ひときわ目を引いていたこの帽子。英国王室が主催する格調高い競馬の祭典「ロイヤルアスコット」にちなんで(Thomas Kern/swissinfo.ch )
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サルキーに乗った3人の騎手がゴール地点を駆け抜ける。サルキーは簡易型の二輪馬車で重さは最大30キロ(Thomas Kern/swissinfo.ch)
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レース後の表彰式で、トロフィーを大事そうに抱えるアールガウ競馬協会のブルーノ・フォーゲル会長(Thomas Kern/swissinfo.ch)
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若者たちがレースの経過と次はどこに賭けるかを話し合う(Thomas Kern/swissinfo.ch)
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今日の第7レースは平地約2千メートルのギャロップ。優勝馬はフューチャー・レファレンス、騎手はナディア・ブルガー。この馬は今レースで高い人気を集めた(Thomas Kern/swissinfo.ch)
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競馬場に来たからには、どの馬が勝つか予想がつかなくても馬券を買ってみるのがひとつの醍醐味(Thomas Kern/swissinfo.ch)
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おしゃれをしてレースを見守るのも楽しみの一つ(Thomas Kern/swissinfo.ch)
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事務所の隣にある展示スペース。女性騎手が順位表とレース中の写真を見ている(Thomas Kern/swissinfo.ch)
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レース後、換金のため窓口に押し寄せる観客たち(Thomas Kern/swissinfo.ch)
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これぞアールガウのエンターテインメント。4400メートルを走る馬のクロスカントリーレース。最も見ごたえがあるのは、馬が水しぶきをあげて堀を駆け抜けるところだ(Thomas Kern/swissinfo.ch)
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クロスカントリーレース後の騎手控え室。レースの様子を流す画面に見入る騎手たち。中央後方にいるのは、出走馬レ・サブレ・ブランでこのレースを制したユルグ・ラングマイヤー(Thomas Kern/swissinfo.ch)
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馬券が当たったことを喜ぶ若い女性たち(Thomas Kern/swissinfo.ch)
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競馬はスイス最大の娯楽ではない。それでもこの国には八つの競馬場がある。最も美しいのはアールガウ州アーラウの「シャッヘン(Schachen)」だ。レースが開催される夏の日には、約7千人の観客でにぎわう。
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2018/09/08 09:00
Thomas Kern
1965年スイス生まれ。チューリヒで写真を学んだ後、1989年からフォトジャーナリストとして活動。1990年、スイス人カメラマンの代理店Lookat Photosを設立。世界報道写真財団(オランダ)の世界報道写真コンテストを2度受賞したほか、スイスの奨学金を多数獲得。その作品は多くの展覧会やコレクションで紹介されている。
この競馬場でレースが行われるのは1シーズンに4日間。夏の初めと終わりに2日間ずつだ。2018年シーズンは9月9日に幕を閉じる。
3日目に行われるメインレース「繋駕速歩(けいがそくほ)競走(Meisterschaft der Traber)」の賞金は4万フラン(約440万円)。1日あたり(レースは計7回)に支払われるお金は約10万5千フランに上る。この賞金額を確保するため、レースを開催する競馬協会はスポンサー探しに奔走しなければならない。大規模な競馬場の維持費もばかにならない。このため、夏に野外シネマなどのイベントを行い、収入を生み出している。
お金の代わりにエンターテイメントを
朝、競馬場の地面はみずみずしい緑色に覆われる。暑い夏の間も自動水まき機が稼動しているおかげだ。レース開催前に地面をチェック。状態は理想的だ。
出走馬72頭の準備が整った。午後、若手騎手のポニーレースが2回行われる。馬券販売窓口には徐々に行列ができ始める。齢を重ねた常連客に加え、若者の顔ものぞく。
「シェリー」、「マイタイ」、「シンシン」、「レ・サブレ・ブラン」。どの馬に賭けるかは二の次。賭けに参加することで体内をアドレナリンが駆け巡る。それが一番の楽しみなのだ。競馬初心者がフェンスの前に詰め寄せ、「自分の」馬が前を走り抜けるたびに声援を送る。
スイス最古の常設競技場
このレースはスポーツとして高く評価されているだけでなく、お祭りでもある。ポニーの乗馬体験や託児所があり、日曜日には特に子供連れの家族でにぎわう。馬をこよなく愛する少女も多い。
アーラウの競馬場は約100年の歴史を持つ。「シャッヘン」はスイス初の常設競馬場としてオープンした。1921年に最初のレースが開催。コンクリートの屋根付き観覧席が完成したのは1947年だった。何十年にも渡って改装、拡張を重ね、今日ではアーラウの「顔」になっている。
(独語からの翻訳・宇田薫)
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「満ち足りた気持ちで目一杯生きる」―シンプルな生活の教訓
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2017/05/02
店もない、レストランもない、バスなんてもちろんない。下手をすれば、この山の上の半径数キロ以内で、羊と牛を除いた他の生き物に出会うことなどないかもしれない。眼前に広がる広大な草原。これこそスイスの観光パンフレットなどでよく目にする美しい風景だ。スイスインフォがこの山に住む67歳の男性の一日に密着した。
美しい風景に囲まれたこの場所にはどんな人が住んでいるのか。暮らしぶりはどうか。スイス中央部に広がるエメンタール地方の山あいで農家を営むロバート・ミュラーさん(67歳)に話を聞いた。
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夏の間、牛を預かるアルプスの「助産師」
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2016/09/28
妊娠中や授乳中の牛たち数十頭の世話をする「アルプスの助産師」。具体的にはどんな仕事をするのだろう?
受話器の向こうからはカウベルの音が聞こえる。その電話の相手はクリスチャン・ヘンニーさん。引退した農夫で、夏の間、東部グラウビュンデン州のアルプスの牧草地で牛たちの世話をしている。
取材の問い合わせに対して、「来てもらってかまわないよ。ただし出産で忙しくなければね」とヘンニーさんは答える。牛の出産の手助けは、彼にとって重要な仕事の一つだ。今年は75頭の面倒を見ている。6月半ばにヘンニーさんの元へ牛たちがやってきたときは、その約半数が妊娠していたという。夏の間、高山牧草地で牛の世話をするヘンニーさんには、給料が支払われるほか、宿泊場所も提供される。スイスでは毎年夏になると、動物の世話から土地の手入れ、乳製品づくりを始めとする山の仕事で何千もの雇用が生み出される。その数はグラウビュンデン州だけでも1500だ。
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自然の作ったジェットコースター - 雪山のそり滑降コース
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我が家からさほど離れていないところに、雪山ひとつ分をそりで滑り降りるコースがある。それも何カ所も。この辺りでもっとも有名なのはベルギューン(Bergün)のコース。つい先日、スイスに移住して15年間ずっと行きたかった「ひと山丸ごとそり滑り」に挑戦してきた。
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手つかずのアルプスの自然を体感 – スイス国立公園
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2015/10/22
「スイスと言えば自然豊かな国」というイメージがあった。でも、そのイメージにある自然が、人工的なものであったことに気づいたのは、実際に住むようになってからだ。今日は、その見慣れた光景ではなくて、スイス本来の自然を体験できるスイス唯一の国立公園について書いてみたいと思う。
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