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人権理事会いよいよ創設

ニューヨークの国連総会でこの決定が下った

(Keystone)

国連総会は15日、米国の反対にも関わらず、国連改革の柱である人権理事会の設立決議を採択した。賛成票は170(日本、欧州諸国など)、反対4(米国、イスラエル、マーシャル諸島、パラオ)、棄権3(ベラルーシ、イラン、ベネズエラ)だった。

人権理事会の「産みの親」で理事会設立に格段の力を注いできたスイスはこの決定を歓迎。ミシュリン・カルミ・レ外相は「深い喜び」を示し、「人権にとっても国連改革にとっても重大な前進だ」と評価した。

 この決議案のまとめ役である、ヤン・エリアソン議長は総会で全会一致の採択を目指しており、以前から米国の反対にもかかわらず総会での採決にもっていくことを躊躇していた。米国が国連最大の資金拠出国だと考えると無理もない。この決議案の難航により、3月13日に開幕するはずだった、国連人権委員会も休会に至っていた。しかし、今回は米国の要請により、エリアソン議長が採決に踏み切ったと報告されている。

米国の反対理由

 米国は人権理事会の構成国の選出方法について、過半数ではなく、3分の2での選出を希望しており、構成国の数も30カ国の小モデルを目指していた。米のボルトン国連代表は「もっと強い組織をつくることができた」と不満を示した。しかし、「人権理事会の機能強化のために協力していく」と今後、理事会に参加していく姿勢を総会で述べた。

スイスの反応

 16日、スイスのメディアは「スイス外交の勝利」として、特にジュネーブがあるフランス語圏で理事会設立の記事が各紙で大きく取り上げられた。

 フランス語圏のル・タン紙は「スイスは激戦外交を導くことができた」と評価し、トリビューン・ド・ジュネーブ紙は「国連加盟の浅い国(スイス)でも国連に働きかけることができる証明だ。常任理事国のメンバーを再構成という難関も夢ではなくなってきた」と考察。

 また、ドイツ語圏でもベルンのデル・ブント紙は「国連にて米国の意思に反して重要な決議が決まったということは新しい意義を持つ」と分析し、チューリヒのノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング(NZZ)紙は「スイスの国際的な舞台での成功」と賞賛した。

今後の機能は?

 ジュネーブにある国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のルイズ・アルボール弁務官は「世界の人権保護を改善する歴史的な機会だ」と評し、人権理事会が人権委員会に比べ大きな改善がされていることを強調。改善点として1)構成国に選ばれるのに一定の義務があること、2)選出されるのに総会の過半数が必要であることと条件が現行よりも難しいことを評価した。

 人権理事会を考案したスイスのウォルター・ケーリン国際法教授はこの採決について、「今回採決に至らなかった場合は人権理事会のシステムがさらに弱まる危険があった」と分析し「理想的とは言えないが良い内容」と評価した。

 また、米国の反対点に対して、「選出支持国が3分の2の方が確かに人権侵害国を排出できたでしょう」と見るが、構成国の数に関しては米国が求めていた30カ国というモデルに対して「少数国で構成される理事会はさらなる政治的道具として利用される危険があった」と分析した。


swissinfo、外電、  屋山明乃(ややまあけの)

補足情報

- 2006年6月からの創設が採択された人権理事会は1946年に創設された国連人権委員会が改組されるもの。構成国は5月9日に選出される予定。議事の開始は6月19日。

- 国連人権委員会は毎年、ジュネーブで6週間開かれていたが、人権理事会は年に3会期、最低10週間開かれる常設機関となり、深刻な人権侵害が報告された場合には「臨時会議」が開かれ、速やかに対応できるようになる。

- 改組された人権理事会は格上げして国連総会の傘下となる(現在の国連人権委員会は経済社会理事会の下部機関)。

- 人権理事会の構成国は47カ国で、国連加盟国の過半数(96カ国)で選出され、任期は3年、連続三選は不可。現在の国連人権委員会は53カ国で事実上、地域グループ内の事前調整により選ばれていた。

- 一方、人権理事会では、構成国は定期的に自国の人権状況の監査を受け、もしメンバー国に深刻な人権侵害があった場合は、国連加盟国の3分の2の支持で構成国から外される。

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