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拉致被害者家族が国連人権委員会で陳述

北朝鮮による拉致被害者家族がジュネーブ国連欧州本部を訪れる。 swissinfo.ch

横田早紀江さん(横田めぐみさんの母)ら北朝鮮による拉致被害者の家族5人がジュネーブの国連欧州本部で開かれた「強制的失踪に関する作業部会」のヒヤリングに22日、出席。

このコンテンツは 2003/04/23 15:32

同作業部会は被害者家族会のメンバーから初めての意見聴取を受けた。家族会は「国連に生の声を聞いてもらえて嬉しい。国際社会の協力が必要」と語った。

ヒヤリング(聴取)での陳述

陳述には田口八重子さんの兄の飯塚繁雄さんがこれまでの経緯全体を説明し「国際社会が一体となって、対峙しなければならない、まさに現在進行形のテロ」と訴えた。また、「帰ってきた5人の北朝鮮に残っている家族を人質に取るような行為が許されていいのでしょうか」と述べた。

個別事例の陳述に及ぶと飯塚繁雄さんは「八重子の幼かった子供は私の妹と私がひとりずつ引き取って教育し、立派に成人しました。八重子はどんなにかこの子らに会いたかったでしょう」と説明。増元るみ子さんの姉の平野フミ子さんは父親が最後に「もう迎えにいけない。俺は日本を信じる、お前も信じろ」の言葉を残して、5人の生存者が帰国した2日後に亡くなったと説明した。これらの陳述を何人かの委員のメンバーは涙ぐみながら聞いたという。

また、横田めぐみさんの弟の拓也さんは「北朝鮮によって死亡と伝えられた8人の被害者が、外部との接触を閉ざされた北朝鮮領土内で生きている可能性が高い」と説明し、「よど号グループなどの関与が明らかな被害者は死亡とされている」ことの不審点を指摘した。

家族会の印象

横田早紀江さんは「世間が無関心の6年間の毎日を思い返した。このような大きなところで話を聞いていただくことができ嬉しい」と話した。家族会は国連人権高等弁務官のセルジオ・デメロ氏と会見したが家族会は弁務官が「もし、私の息子がその様な目にあったらどうするのだろう」などと親身に話を聞いてもらったことが最も印象深かったという。また、デメロ氏の救出運動のシンボルの青いリボンを「青は国連の色です」という発言で、心強い気持ちになれたという。さらに、デメロ氏は北朝鮮の拉致について「国連加盟国が信じられない」といった強い発言もしたという。

これまでの経過

昨年の9月に日朝首脳会談で北朝鮮が拉致を認めたことから、11月に日本政府は作業部会に再審査を申請、部会は北朝鮮に情報提供を求めたが北朝鮮は「拉致問題は2国間で解決済み」と回答した。また、作業部会に外務省が提出した回答書が「あまりにもおざなり」との反発が出たため、日本政府は追加的情報を含んだ新たな回答書を22日の審議に間に合うように提出した。会見に出席した外務省の斉木昭隆アジア大洋州局参事官は「政府の不手際があり、深く反省してお詫びする」と述べた。なお、ジュネーブで25日まで開催中の第59期国連人権委員会では16日に拉致問題の全面解決を含んだ北朝鮮非難決議を採択している。



スイス国際放送、A.Y.

補足情報

強制的失踪作業部会とは?

同部会は1980年に国連人権委員会の決議により創立され、委員会のメンバーは5人の専門家により構成される。家族らの訴えを受けて、関係政府に照会し、失踪者の所在調査をして家族に通報するのが目的だが審議は常に非公開。議長のガルシア・サヤン(ペルー)は今回のヒヤリングについて「実りが多かった。各国政府に協力を求めたい。これらの人々の所在が確認できるまで引き続き検討したい」と述べた。

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