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日本とゆかりのあるバレエ団 モーリス・ベジャール・バレエ団、アイスリンクで「第九」を上演



モーリス・ベジャールが振り付けをしたベートーベンの「第九交響曲」では、ダンサー80人、演奏者90人、歌い手80人が参加する

モーリス・ベジャールが振り付けをしたベートーベンの「第九交響曲」では、ダンサー80人、演奏者90人、歌い手80人が参加する

(béjart.ch)

有名なフランス人バレエ振付家モーリス・ベジャールは今から約30年前、スイス・ローザンヌに自身と同名のバレエ団を設立した。彼が亡くなった2007年には存続が危ぶまれたものの、今日でも多くの観客を引きつけてやまない。芸術監督のジル・ロマンさんの下、ベジャールが振り付けをした作品がローザンヌでよみがえる。

 ローザンヌのマレイ・アイスリンクでは今月17日から4日間、50年前ベジャールが振り付けしたベートーベン「第九交響曲」が新しく解釈され再上演される。

 今回の公演ではベジャール・バレエ団他のサイトへ以外に、東京バレエ団他のサイトへローザンヌ・シンフォニエッタ他のサイトへローザンヌオペラ他のサイトへの歌手など総勢250人のアーティストたちが参加する。

 アイスリンクのような異例な場所で公演を行うのは、今回が初めてではない。「バレエはエリートたちのダンス」という概念を打ち破ろうとしていたベジャールは、スポーツ競技場やサーカスのテントなどで作品を上演することを好んだ。また、人々に親しみやすいような作品をかわるがわる上演した。

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 「彼は少人数が喜ぶようなバレエはしたくなかった」と、ダンス評論家でモーリス・バレエ財団他のサイトへ会長のジャン・ピエール・パストーリさんは語る。物語を語るのではなく、シチュエーションを描写していたベジャールは「本当の革命家だった」。

モーリス・ベジャール・バレエ団

モーリス・ベジャール・バレエ団は1987年、議論を呼ぶことも多かったが人気の高かったバレエ振付家モーリス・ベジャールが設立。ベジャールは60年にベルギーのモネ劇場で21世紀バレエ団を立ち上げたが、同劇場との亀裂が原因で、スイスに移住。これを受け、ベジャールがベルギーに創立したムードラ・バレエ学校は廃校となり、ローザンヌに新たにルードラ・ベジャール学校が開設された。ベジャールはクラシックな訓練を受けたダンサーを使って、ダンスをクラシックから現代風へと変えたことで知られる。代表作品は「春の祭典」、「ボレロ」、「火の鳥」、ベートーベンの「第九交響曲」。

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 ベジャールはさらに、ブーレーズ、ピエール・アンリ、シュトックハウゼン、クセナキスなどの不協和音が特徴的な現代音楽を使用したり、エロチックな雰囲気の主役に男性ダンサーを抜てきしたりするなどして、観客の度肝を抜いた。

 だが彼の情熱的なスタイルは人々に受け入れられ、ベジャール・バレエ団は設立からまもなく世界中で公演を行うまでに成長した。本拠地は設立当初からスイスにあるが、活動時間の最大8割が世界公演に費やされている。

 現在、同バレエ団を率いるのは、1993年からベジャールの副芸術監督を務め、2007年に亡きベジャールの後を引き継いだジル・ロマンさん。自身もダンサーであるため、振り付けを生き生きと表現するための方法を知っていると、パストーリさんは指摘する。「彼はベジャールの作品に新たな息吹を吹き込んでいる」

 ロマンさんは自身をこう語る。「これまでの振り付けを繰り返そうとは思っていない。だが、新しいダンサーのエネルギーと個性を通して、振り付けに新たな活力を与えていこうと思っている」

 ロマンさんがベジャール・バレエ団に加わったのは19歳のとき。体は柔らかく、感情が豊かで、ベジャールの振り付けに多くのインスピレーションを与えた。



ロマンさんはベジャールの下で振付家になった

ロマンさんはベジャールの下で振付家になった

(béjart.ch)

 バレエ団にも変化をもたらした。ベジャールの作品では女性の存在感が失われていたが、ロマンさんの影響で女性が再び目立つようになった。ロマンさんはダンサーたちには年齢を問わず、フレッシュさと自発性を求める。現在55歳で大の愛煙家だが、少年らしさがはっきりと残る。毎日のトレーニングについては「人生を通し、自分の肉体に挑戦してきた」と語る。

レパートリーに新たな作品

 ロマンさんはベジャールの下で振付家になった。自身が手がけた約10作品は、ほかの振付家の作品とともに、カンパニーに新たな活力を与えた。

 ローザンヌで最近行われたプレミアム公演での作品(Tombées de la dernière pluie)では、ロマンさんは強烈なイメージとパワフルな感情をダンスで表現した。

 映像の使い方も斬新だ。スイス人映画監督のピエール・イヴ・ボルジョーさんを招待し、ストーリーに織り込むための映像を製作するよう頼んだ。ストーリーを劇的に、かつテンポあるものにするためだ。「振り付けの中に映像を組み込みたかった」とロマンさんは言う。

成功をマネジメントする

 ベジャール・バレエ団には関係者が100人近くおり、さらに提携しているルードラ・ベジャール学校他のサイトへの関係者50人を加えるとバレエ団はかなりの規模になる。成功を収め続けているが、健全な経営を維持するのにはいつも苦労していると、ロマンさんは話す。ベジャール・バレエ団が欧州で数多くの取り組みを行っている最中にユーロの価値が下がったが、財政的な恩恵はなかったという。

 だが公演ツアーには意義があるとロマンさん。60人以上ものスタッフとトレーラー2台を移動させることは簡単ではないが、世界中で公演を続けることが大事だと考える。「大規模な作品を披露し、これほど広範囲を移動するバレエ団はほとんどない」

 ベジャール・バレエ団が最もよく訪れる国が、40年前にベジャールが大変気に入ったという日本だ。日本での同バレエ団の人気は数十年間続いており、ベジャールが振り付けをしたベートーベンの「第九交響曲」は14年12月、東京バレエ団創立50周年を記念して日本で再上演された。

 この振り付けが生まれたのも50年前だ。ベジャールのスタイルは、万民主義の賛歌として構想されたこの作品で確立された。多くの人にとって、この作品の魅力は時がってもいまだ色あせていない。ローザンヌのアイスリンクのように特別な舞台で上演されれば、その魅力はなおさら輝くだろう。

ジル・ロマン

1960年フランス生まれ。モーリス・ベジャール・バレエ団に30年前に入団して以来、ベジャールの有名作品に数多く出演。1993年に同バレエ団の副芸術監督、2007年に芸術監督に就任。最近では2015年度マイヤ・プリセツカヤ賞やフランス国家功労勲章、2014年度スイス・ヴォー州文化基金名誉賞を受賞。

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(英語からの翻訳・編集 鹿島田芙美), swissinfo.ch

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