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独南部航空機空中衝突:チューリッヒ空港管制塔、電話もオフ

71人が死亡した独南部上空で1日深夜起きた露バシキール航空旅客機とDHL貨物機の空中衝突で、2機の異常接近に気付いた独航空当局が衝突2分前にスイス管制官に警告しようとしたが、電話が通じなかった事が判明した。

7日刊行された独雑誌「シュピーゲル」の報道によると、独カールスルーエの航空管制当局は露バシキール航空機(ツポレフ154)とDHL機(ボーイング757)が近付きすぎた事に気付き、空中衝突の2分前にチューリッヒ空港管制タワーのスイス管制サービス・スカイガイドの航空管制官とコンタクトしようとした。が、電話が通じず、その数秒後に2機は空中で衝突した。独連邦航空機事故調査局によると、当時チューリッヒ管制タワーではメイン電話回線の定期点検が行われており、管制官はバックアップ回線を使用していた。事故当時、チューリッヒ管制タワーでは、当直の管制官が1人しかいなかったことはすでに明らかになっている。当時、スカイガイドの衝突回避警報システムが点検中でスイッチを切った状態にあった事も先週判明していたが、この1人の当直管制官は、電話回線も使えない状態だった事が新たに明らかになった。さらに、当直が1人だったため、2つのレーダーを同時にモニターしていた。

スイスの当直管制官は、1日23時25分と23時33分の2回、独フリードリフィシャフェン空港に着陸する航空機にコンタクトしようとしていた。そして23時34分、管制官はツポレフ機に高度を下げるよう最初の警告を出した、その43秒後2機は衝突した。ツポレフ機の機長は衝突30秒前から高度を下げ始め、DHL機も衝突回避装置の警告を受け同時に高度を下げ始めていた。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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