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輸血でマラリア感染

1999年、70才の男性が手術時の輸血が原因でマラリアに感染し死亡していたことがわかった。スイス赤十字によると、輸血提供者は30才のカメルーン出身の男性。遺伝子分析の結果、死亡した患者とこの男性のマラリア寄生虫が同じものと判定されたことから血液ドナーが突き止められた。

スイスではマラリアの発生はめったにないことから、血液提供の際マラリア検査は通常されていないが、質問リストには含まれている。輸血を受けた男性患者は、手術後2週間高熱を出し死亡した。赤十字の事後調査に対しカメルーン男性は、10代の頃マラリアに罹ったことがあったかもしれないと答えたが、寄生虫が血流内でそんなに長く生存できるものかどうかという疑問がある。この男性は過去6年間カメルーンに帰国していない。連邦厚生局は、ドナーの男性がパリの空港近くに2年間住んでいたことから、「空港マラリア」に罹った可能性があると指摘する。

輸血によるマラリア感染は非常に稀なケースだ。保健衛生当局は、ドナーにマラリア感染の疑いのある場合は血液検査を行うよう奨励している。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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