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新内閣の担当分け

ブロッハー氏が司法警察相、メルツ氏が財政相に就任した。 Keystone

12月10日、スイス連邦議会の上下両院による閣僚選挙が行われ、新内閣が成立したが14日、当選した7人の協議でそれぞれ担当が決まった。新しく入閣した2人以外は同じ省庁の担当に留まることで一致した。

新たに内閣入りしたクリストフ・ブロッハー氏とハンスドルフ・メルツ氏はともに財政相を希望していたが、結局、ブロッハー氏が司法警察相にまわり、メルツ氏が財政相となった。2004年の大統領は7人の輪番制でジョゼフ・ダイス氏となる。

フェアーな人事?

 閣僚の担当分けは伝統的に閣僚としての在任期間が長い順に優先権がある。現職の5人は既存の省庁を希望していたため、不信任になったルーツ・メツラー氏の司法相と引退したカスパー・フィリガーの財政相が残った。ブロッハー、メルツ両氏とも財政相を希望していたが内閣の協議で決定した。

 社民党の議員、ジャン・シュトゥーダ氏は「新入閣僚を現実に直面させたかったのでしょう」と分析する。つまり、両者とも選挙運動で最も取り上げたテーマに取り組むことになる。仏語圏、ルタン紙(15日付け)も「日曜行われた人事は現在、置かれている状況では最もフェアーなもの」と評価している。

ブロッハーが司法警察

 一方、フランス語圏、トリビューン・ド・ジュネーブ紙(15日付け)は社説で「国民党の一番好きなテーマに直面させて有権者を失望させる手筈、つまり、国民党を制圧する手法である」と分析している。

 ブロッハー議員を代表する国民党は移民、難民の入国規制を主張。これまで政府の対応を「難民や移民に甘い」と非難してきた。国連高等弁務官事務所は10月の総選挙の国民党キャンペーンに対して「犯罪やテロを難民と結びつけるあらかさまなアンチ難民政策」と強く批判するほどだった。 

 ブロッハー議員は司法警察相を受け持つことでこれまで内閣と衝突してきた難民、移民政策、帰化申請、安全問題、政府の(構造)改革、同性愛者の結婚(パクス)といった問題に対応しなければならなくなる。

メルツが財政相

 メルツ氏は当初からスイスの予算削減を提唱していたが、2007年から25億フランの削減を目指すとしている。トリビューン・ド・ジュネーブ紙(16日付け)は「メルツがまず予算削減を行う分野は社会保障、教育、公共交通機関」とみている。しかし、同紙は右寄りになった政府が行う減税政策で減収が激しくなる国庫の行方はどうなるのか疑問を投げている。


スイス国際放送、 屋山明乃(ややまあけの)

<2004年新内閣割り当て>

– 大統領:ジョゼフ・ダイス(経済相と兼任/キリスト教民主党)
– 外相:ミシュリーヌ・カルミ=レイ(社民党)
– 内相:パスカル・クシュパン(急進党)
– 司法警察相:クリストフ・ブロッハー(国民党)
– 国防・国民保護・スポーツ相:サミュエル・シュミット(副大統領兼任/国民党)
– 財政相:ハンスドルフ・メルツ(自由民主党)
– 環境・運輸・エネルギー・通信相:モリツ・ロイエンベルガー(社民党)

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