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COP6 京都議定書運用ルール採択

COP6議長修正案採択 Keystone

気候変動枠組条約第6回締約国会議(COP6)再開会合(ドイツ・ボン)は23日、地球温暖化防止のための京都議定書の運用ルールの修正議長案を採択した。モーリッツ・ロイエンベルガー・スイス大統領/運輸・エネルギー・環境相は、罰則制度をのぞんだスイス案は受け入れられなかったが、温暖化防止に向け正しい方向への第1歩を進めたと評価した。

ロイエンベルガー大統領は、スイス政府は2002年に京都議定書批准手続きを進めると述べた。さらに、大統領は、スイスは二酸化炭素(CO2)排出量削減により減税制度を盛り込んだCO2排出量規制法を導入し京都議定書に応じているが、ボン会議で採択された運用ルールはスイスの現行政策よりも緩和されたものだが、京都議定書批准に向け一歩進んだことを評価すると語った。

発効が危ぶまれる京都議定書を救うため180ヶ国が出席したボン会議の交渉は、合意に至るまで昼夜を通して48時間続けられた。会議に出席したスイス環境省のベアト・ノブス氏は、ボンからの電話取材に対し、次のように述べた。修正議長案が採択された時ロシアは室内にいなかったためロシアの反対が懸念されたが、結局ロシアはEUの妥協案に合意した。地球温暖化防止条約に唯一反対しているのは米国だ。先週末ジェノバで開かれたG8首脳会議で各国はブッシュ米大統領に圧力をかけたが、ブッシュ大統領は京都議定書は米経済に悪影響を及ぼすとし不支持の立場を変えなかった。結局交渉は、各国の主張が対立している1)途上国への資金援助、2)CO2排出量取引制度、3)森林のCO2吸収分を排出量削減分と認める制度、4)罰則制度、を整理、特に目標を守れなかった場合には課金するとした罰則制度を厳しすぎるとした日本、カナダの修正要求が受け入れられ、合意にいたった。

運用ルールが決まったことで、2002年に気候変動枠組条約締結国の55%にあたる55ヶ国が批准したところで京都議定書は発効される。約30ヶ国はすでに批准した。

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