スイスの金融業はチューリヒ州に集中している。スイスで金融関係の仕事に就く人の41%を抱え、金融業の生産高の45%を創出する。だが2007~08年に起きた金融危機は、その優位性を奪い去った。チューリヒ州経済労働局は18日発表した調査報告書外部リンクにこう記した。
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2大銀行、UBSとクレディ・スイスは08~16年の間に計2400人を解雇。外国銀行の支店や地方銀行も人員を削減した。ただ保険会社が人員を増やしたことで一部は補完され、2017年時点で金融業界に属するチューリヒ州の労働者は9万1千人を数えた。
07~17年の間に他産業への雇用創出などを通じて州内に50億フラン(約5500億円)の経済効果をもたらした。だが17年に銀行・保険やその他の金融機関が生んだ「付加価値」は258億フランで、07年の307億フランより減った。
金融業界で働く人は今も同州の10%を占め、域内総生産の17%に相当。地域で最も重要な産業の一つとしての地位を維持する。だが業界を銀行が独占する時代は終わり、保険会社や独立系金融機関が果たす役割は10年前に比べて格段に高まった。
報告書は、昨年は銀行セクターに揺り戻しが起こったと分析する。だがUBSがバックオフィスを他の州に移すことを決めたことなどから、銀行業の今後数年はバラ色とは言えないと結論づけた。
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