スイスの医薬品不足、さらに深刻化
スイスで医薬品の供給不足が悪化している。仏語圏日刊紙ル・タンが7日、報じた。
スイス薬剤士協会(pharmaSuisse)のマルティーヌ・ルグリ・デュクロ会長によると、供給不足はあらゆる薬に広がっている。
同氏はル・タンが7日掲載したインタビューで「糖尿病や高血圧の治療薬、麻薬性鎮痛薬オピオイド、抗生物質など、すべての薬が影響を受けている」と話し、医薬品不足への迅速な対応を求めた。
そのほか、主にウクライナが生産地のガラス瓶やバイアルなどの包装材料も影響を受けていると話した。同氏によると、スイスの製薬会社の中には、製造コストが高すぎる医薬品の販売を断念する会社もあるという。
同氏は、医薬品の製造に必要な有効成分はアジアで生産されることが多い点を指摘。「サプライチェーンに問題が発生した場合、欧州がより自立して供給できるようにするためには、大陸での生産体制を多様化することが不可欠だ」と話し、欧州連合(EU)との協力を呼びかけた。
おすすめの記事
製薬大国スイスで薬不足が起こる理由
英語からの翻訳:大野瑠衣子
JTI基準に準拠
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。