スイス・ローザンヌ大学で6日、気候変動問題を話し合うユースサミット「未来へのスマイル」が始まった。スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさん(16)も参加。同サミットは、二酸化炭素排出量削減に向けたさらなる行動を欧州連合(EU)に求める欧州市民イニシアチブ(国民発議)の立ち上げを目指す。
このコンテンツが公開されたのは、
トゥーンベリさんは4日夜に電車で現地入り。同サミットは1週間にわたって行われ、欧州38カ国、450人以上の若手活動家がワークショップなどで意見交換する。9日午後にはストライキを行う。
主催者は、若者たちの気候変動ストライキが生んだ勢いに乗り、政治家たちにより踏み込んだ目標を設定させることが目的という。
その手段として、欧州市民イニシアチブ外部リンクを提起する。これは欧州委員会に法制度のアイデアを提案する比較的新しいツールだ。
イニシアチブは4つの要素からなる。1つは欧州連合(EU)が2035年までにカーボンニュートラル(二酸化炭素の排出量と吸収量が同一となること)を実現すること。2つ目は欧州に入ってくる製品に二酸化炭素税を課すこと。3つ目は、世界的な気温上昇を1.5℃に抑える目標に同意しない国との貿易協定には合意しないこと。4つ目は、気候変動問題の解決策を提示する欧州統一の教育資料を作ることだ。
反対
スイスの連邦議会総選挙が近づくにつれ、一部の保守派は一連の気候変動運動、特にトゥーンべリさんについて、政治的にご都合主義で、一過性のものだと主張する。
右派・国民党のローランド・ビュヒェル議員は、トゥーンべリさんを父親の操り人形に過ぎないと批判。同党のクラウディオ・ザネッティ氏は「政治的な児童虐待」だとツイートした。
同党青年部も、#kretastattgreta(グレタの代わりにクレタ島)というハッシュタグをつけ、ソーシャルネットワーク上でのキャンペーンを展開。国内で気候変動の議論にかかわるよりもギリシャのクレタ島で休暇を過ごしてはどうか、と呼び掛けている。
おすすめの記事
女子優位のクラスを出た女性は高収入の傾向 スイス調査
このコンテンツが公開されたのは、
スイス・バーゼル大と英ダラム大が小学生75万人のデータを用いて行った調査で、子どもの頃、女子生徒の方が多いクラスを出た女性はより多くの収入を得る傾向があることが分かった。
もっと読む 女子優位のクラスを出た女性は高収入の傾向 スイス調査
おすすめの記事
11月のスイスアルプス、季節外れの暖かさ
このコンテンツが公開されたのは、
スイスアルプスで、季節外れの暖かさが続いている。スイスで最も標高の高い地点にあるユングフラウヨッホでは観測史上最高を記録した。
もっと読む 11月のスイスアルプス、季節外れの暖かさ
おすすめの記事
スイスでベジタリアン・ビーガン増加 若者・高学歴に多く
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで肉食をやめる人が増えている。植物性食品を推進するスイスベジ協会(Swissveg)は30日、スイスのベジタリアンやビーガンの数は過去5年間で約40%増加したと発表した。
もっと読む スイスでベジタリアン・ビーガン増加 若者・高学歴に多く
おすすめの記事
スイスを縦断するツルが過去最多
このコンテンツが公開されたのは、
スイス鳥類研究所によると、スイスでは今季、はやくも過去最多のツルが観察されている。なかには約800羽の大規模な群れもみられた。
もっと読む スイスを縦断するツルが過去最多
おすすめの記事
「金銭目的」で自殺ほう助 スイスの裁判所が元看護師に有罪判決
このコンテンツが公開されたのは、
スイス南部ティチーノ州ルガーノの州刑事裁判所は23日、利己的な動機で他人の自殺を手助けしたとして、自殺教唆・ほう助の罪に問われた同州の元看護師の女(67)に条件付き罰金刑を言い渡した。
もっと読む 「金銭目的」で自殺ほう助 スイスの裁判所が元看護師に有罪判決
おすすめの記事
スイス、外来診療の新料金体系で合意 定額制を一部導入
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの医療機関団体は22日、外来患者向けの新料金体系を承認したと発表した。エリザベット・ボーム・シュナイダー内務相は積年の議論に決着がついたことを歓迎した。
もっと読む スイス、外来診療の新料金体系で合意 定額制を一部導入
おすすめの記事
スイス製武器の再輸出解禁案まとまる 主要政党の賛否まとまらず
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国民議会(下院)安全保障委員会は、スイス製武器の再輸出の解禁案をまとめた。武器の輸出から5年経過を条件に、ウクライナなど紛争中の第三国への再輸出を認める内容だ。ただ主要政党の間では賛否が割れている。
もっと読む スイス製武器の再輸出解禁案まとまる 主要政党の賛否まとまらず
おすすめの記事
スイスで「ニュース離れ」さらに深刻に メディア品質年鑑
このコンテンツが公開されたのは、
チューリヒ大学公共・社会研究センターが毎年まとめる「スイスメディア品質年鑑」2024年度版で、スイスでニュースを平均以下の量しか消費しない人の割合は46%と、過去最高を更新したことがわかった。スイスメディア全体の質は引き続き「良好」と評価された。
もっと読む スイスで「ニュース離れ」さらに深刻に メディア品質年鑑
おすすめの記事
アイスホッケーのスイス代表、国旗の白十字使用認められず
このコンテンツが公開されたのは、
アイスホッケーのスイス代表チームは、ユニフォームにスイスの国旗である白十字の紋章を付けることができなくなった。スイスアイスホッケー連盟(SIHF)が連邦行政裁判所に提出した申請が遅すぎたのが原因だ。
もっと読む アイスホッケーのスイス代表、国旗の白十字使用認められず
おすすめの記事
スイス、ロシアに追加制裁 輸出規制を強化
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府は16日、ウクライナに侵攻するロシアへの追加制裁を発表した。ロシアの産業・軍事・技術に必要な製品の輸出規制が強化されるほか、政党、NGO団体、報道機関がロシア政府からの寄付を受け取ることが禁止される。
もっと読む スイス、ロシアに追加制裁 輸出規制を強化
続きを読む
おすすめの記事
スイス連邦鉄道、国際夜行列車が復活?
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦鉄道が、国際夜行列車(寝台列車)の再導入を検討している。昨今の気候保護運動の中で、短距離フライトの環境に与える悪影響が取りざたされ、列車の旅に再び注目が集まっている。
もっと読む スイス連邦鉄道、国際夜行列車が復活?
おすすめの記事
16歳の選挙権、賛成?反対? 若者の意見
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは先月、多くの生徒が気候変動対策を求めてストライキをした。より強く政治に関わるために16歳から選挙権を与える案も浮上するが、若者の間でも賛否は分かれる。
もっと読む 16歳の選挙権、賛成?反対? 若者の意見
おすすめの記事
政治に関心を向ける「グレタ世代」の若者たち
このコンテンツが公開されたのは、
若者は全般的に政治に「無関心」だ。しかし空気が変わりつつある。スイス13の都市で今年2月、4万人弱の市民が早急な温暖化対策を求めてデモを行い、大勢の若者が参加したのだ。実際のところ、若者の政治参加はそれ以前から目立ち始めている。
もっと読む 政治に関心を向ける「グレタ世代」の若者たち
おすすめの記事
シェア好きで環境派、だけど食品ロスが多いスイスの若者世代
このコンテンツが公開されたのは、
スイスには現在、マチュア世代(または伝統主義者世代)、ベビーブーマー世代、X世代、Y世代、Z世代の五つの世代が共存している。若者の世代は中高年の世代に比べてどのような違いがあるだろうか?注目すべき10の特徴を取り上げる。
もっと読む シェア好きで環境派、だけど食品ロスが多いスイスの若者世代
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。