緊急閣僚会議を終え、午後6時半に会見に臨んだスイスのソマルーガ大統領(右)とベルセ大統領
Keystone / Peter Klaunzer
スイス連邦政府は8日、今週末からほとんどの公共イベントを禁止し、全国のレストランや小売店の閉店時間を早める計画を発表した。
このコンテンツが公開されたのは、
連邦内閣は同日緊急閣僚会議を開き、3つの柱から成る追加感染対策外部リンクをとりまとめた。
第1段の措置案は12日から来年1月20日まで実施。私的な集まりを最大5人かつ2世帯に制限する。ただしクリスマス期間(12月24~26日)と大晦日(31日)は10人までとする。
レストランやスポーツ・レジャー施設、小売店は午後7時に閉店し、日曜日は休業とする。スキー場は「野外活動」として免除される。
公共スペースでの集会は、宗教上の礼拝や議会を除き禁止される。
連邦内閣は各州の意見聴取を踏まえて11日に再度会議を開き、12日からこれらの措置を導入するか最終決定する。
全国一律の措置
スイスで8日に報告された新規感染者数は4262人で、2月の流行開始以来の累計では35万4568人に達した。7日には累計死亡者数が5千人に達した。
10月に始まった新型コロナウイルス感染症の第2波に対して、連邦政府が決める全国的な措置に加え、各州政府が独自により厳しい規制を出し、感染対策がばらばらになっている。このため欧州でも特に感染者が多くなっているにもかかわらず、流行拡大に歯止めが利かなくなっている。
春の第1波とは異なり、連邦政府は緊急事態宣言を出し感染対策の全指揮権を取る方針はないという。ただアラン・ベルセ内務相は8日、同日発表した措置は全国一律の感染対策に近づけるための努力を表していると語った。
必要に応じてさらに制限も
連邦政府は第2、第3の追加措置を検討している。今後数週間で状況が改善しない場合は、第2段としてレストラン・小売店の全面閉鎖などさらに強力な対策を講じる。18日に第2段の是非を議論する。第1段よりも「的を絞った」(ベルセ氏)対策になるとちらつかせ、その前に各州が必要な対応を取るよう圧力をかけた。
第3段は規制の影響を受ける企業を支援するための財政パッケージとなる。18日に財務、経済、内務、司法各省が政府に支援策の案を提出する。
おすすめの記事
欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
このコンテンツが公開されたのは、
欧州人権裁判所(ECHR)大法廷は10日、スイスが女子陸上五輪金メダリストのキャスター・セメンヤさん(南アフリカ)の権利を侵害したとする2023年の判決を支持した。
もっと読む 欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
おすすめの記事
スイスの抗生物質開発企業、塩野義と研究・ライセンス契約を締結
このコンテンツが公開されたのは、
抗生物質の開発に特化するスイスの新興バイオ企業ビオヴェルシス(BioVersys)は2日、日本の塩野義製薬と共同研究・独占ライセンス契約を結んだと発表した。
もっと読む スイスの抗生物質開発企業、塩野義と研究・ライセンス契約を締結
おすすめの記事
スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
このコンテンツが公開されたのは、
スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。
もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
おすすめの記事
スターリンクの衛星アンテナ設置に反対運動 スイス南部
このコンテンツが公開されたのは、
米宇宙企業SpaceX(スペースX)が運営する通信衛星「Starlink(スターリンク)」のアンテナ40基をスイス南部の村に設置する計画に対し、反対する声が上がっている。
もっと読む スターリンクの衛星アンテナ設置に反対運動 スイス南部
おすすめの記事
スイスでは現金のチップが主流
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのレストランでクレジットカードやスマホ決済が普及しているが、チップは今も現金で払うのが主流だ。消費者の多くは、チップが確実にスタッフの手元に入るようことを重視している。
もっと読む スイスでは現金のチップが主流
おすすめの記事
プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの研究所が新たな研究結果を発表し、プラタナスは猛暑でも冷却効果を発揮することが分かった。樹木の冷却効果は30~35℃で限界に達するという既存の仮説を覆す結果が出た。
もっと読む プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
おすすめの記事
スイス国立銀行、政策金利ゼロに引き下げ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国立銀行(中銀、SNB)は19日、政策金利を0.25%引き下げて0%にすると発表した。
もっと読む スイス国立銀行、政策金利ゼロに引き下げ
おすすめの記事
欧州外相、ジュネーブでイラン外相と核協議へ
このコンテンツが公開されたのは、
メディア報道によると、ドイツ、フランス、英国の外相は20日、スイス・ジュネーブでイラン外相と核協議を行う見通しだ。
もっと読む 欧州外相、ジュネーブでイラン外相と核協議へ
おすすめの記事
スイス議会、超富裕層への相続税案を否決 対案なく国民投票へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス上院は17日、超富裕層の相続に相続税を課し環境保護の財源にする案を否決した。
もっと読む スイス議会、超富裕層への相続税案を否決 対案なく国民投票へ
おすすめの記事
見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦鉄道(SBB)は17 日、目に見えない障がいを持つ乗客を対象としたヘルプマークの配布を試験的に開始した。外見からは分からなくても支援・配慮を必要としている人への理解を深めることを目的としている。
もっと読む 見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道
続きを読む
おすすめの記事
コロナ第2波 スイス政府の緩い措置
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは人口比で見た新規感染者数が最も多い国の1つだ。連邦政府は先月28日、第2波を食い止めるための新たな措置を発表したが、国際的に見ると緩さが目立つ。
もっと読む コロナ第2波 スイス政府の緩い措置
おすすめの記事
メディア、スイス政府のコロナ対策に厳しい目
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府が今週決めた新型コロナウイルス対策の追加措置に対し、国内外のメディアからは「リスクが高い」など厳しめの評価が目立った。
もっと読む メディア、スイス政府のコロナ対策に厳しい目
おすすめの記事
少なすぎたコロナ検査、スイスの第2波阻止できず
このコンテンツが公開されたのは、
初春の新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の第1波は比較的無傷で乗り越えたスイスだが、今秋の第2波では大きな打撃を受けた。理由の1つに検査不足が挙げられるが、スイスでの検査数が隣国と比べ少なかったのは何故か。
もっと読む 少なすぎたコロナ検査、スイスの第2波阻止できず
おすすめの記事
スイス、病院のベッド数は足りるのか?
このコンテンツが公開されたのは、
各国では近年、病院のベッド数が減っている。新型コロナウイルス危機では問題になりかねない。スイスはどうだろうか。データを分析した。
もっと読む スイス、病院のベッド数は足りるのか?
おすすめの記事
コロナデモは正当化されるのか?
このコンテンツが公開されたのは、
今のところ、公共スペースで5人を超える集まりは禁止されており、政治的なデモも対象だ。だが5月に入り、3週末連続で自由の制限に抗議するデモが、少人数ながら大きな声を上げた。 彼らは一体何を求めているのか? 一つには、人々の…
もっと読む コロナデモは正当化されるのか?
おすすめの記事
コロナが迫る黒字財政の放棄
このコンテンツが公開されたのは、
失業率の上昇や税収減、大きな打撃を受けた業界への支援策―新型コロナ危機はスイスでもその他の国でも、国家財政の大きな負担になろうとしている。 ウエリ・マウラー財務相は4月末、コロナ対策を盛り込んだ今年度予算の改定値を公表し…
もっと読む コロナが迫る黒字財政の放棄
おすすめの記事
コロナ禍でベーシックインカムへの待望論が再浮上
このコンテンツが公開されたのは、
すべての人に条件なしで生活を保障する社会をあなたは想像できるだろうか?コロナ危機の今、無条件で一定の金額を給付する「ベーシックインカム(最低生活保障)」のの支持者に追い風が吹いている。
もっと読む コロナ禍でベーシックインカムへの待望論が再浮上
おすすめの記事
スイス流ワーケーション 広がりに期待
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは、ワーケーションはまだ黎明期にある。だが近年のデジタル化とコロナ禍で浸透したテレワークを追い風に、新しい働き方の一つとしてスイスでも広がりが期待される。
もっと読む スイス流ワーケーション 広がりに期待
おすすめの記事
マッターホルンのコロナ禍メッセージ 「光害」批判も
このコンテンツが公開されたのは、
スイス南部ツェルマットのマッターホルンに毎日映し出されるメッセージは、コロナ禍の希望の光として、世界中の人々を勇気づけた。一方で、光害との批判が自然保護団体から挙がっている。
もっと読む マッターホルンのコロナ禍メッセージ 「光害」批判も
おすすめの記事
2021年のダボス会議延期 新型コロナの影響で
このコンテンツが公開されたのは、
2021年1月に開催される予定だった世界経済フォーラム(WEF)の年次総会は、新型コロナウイルスの流行により延期される。専門家によると来年1月に開催するには危険だが、主催者は同年初夏に開催する可能性が高いと言う。
もっと読む 2021年のダボス会議延期 新型コロナの影響で
おすすめの記事
スイス警察はなぜ「密」を防げないのか
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは新型コロナウイルス危機を受けたロックダウン(都市封鎖)が徐々に解除され、人々は昼夜問わず外に出歩き始めた。だがソーシャルディスタンシング(社会的距離)を無視した行動も見られ、どうして警察がもっと厳しく取り締まらないのか不思議に思う声も出ている。
もっと読む スイス警察はなぜ「密」を防げないのか
おすすめの記事
外出自粛中、障害児とその親が直面する問題
このコンテンツが公開されたのは、
コロナ渦中、子供の面倒を見るために出勤できなくなった親は所得補償を受ける権利がある。この措置は12歳未満の子供を持つ親が対象だ。だが障害児の世話をする親は特殊な問題を抱えるため、政府は支援の拡張を表明した。
もっと読む 外出自粛中、障害児とその親が直面する問題
おすすめの記事
新型コロナ危機 スイスインフォもテレワーク導入
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナウイルス危機によるロックダウン(都市封鎖)で、swissinfo.chもテレワーク(自宅勤務)に切り替えた。記事へのアクセスはかつてないほど増えた。
もっと読む 新型コロナ危機 スイスインフォもテレワーク導入
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。