スイスでは航空券に環境税が課されることになる
Keystone/Laurent Gillieron
スイス国民議会(下院)は10日、温室効果ガス排出量削減の一環で航空券に環境税を課すCO2法改正案を圧倒的多数で可決した。
このコンテンツが公開されたのは、
法改正案は、スイス発のフライトの航空券に、30~120フラン(約3300~1万3200円)の環境税を課すというもの。これにより年間約50万フランの税収が見込めるという。このうち半分は国民に還元する。
大多数の政党が、空の旅の抑制につながるとしてこの法改正案に賛同。保守系右派の国民党は、航空会社のコスト負担が増大するとして反対した。
全州議会(上院)は昨年9月、CO2法改正の議論の際に、この提案を可決した。
下院は2018年12月に同案を否決したが、その後中道右派の急進民主党が支持に転じた。この提案はもともと緑の党などの左派が支持していた。
シモネッタ・ソマルーガ連邦大統領兼環境相は、他の欧州諸国のように環境税を徴収することはスイスにとって利益になると発言。すべての輸送部門が気候変動との戦いに貢献する必要があると述べた。
環境団体は議会の決定を歓迎したが、課税の増額が必要だとした。
法改正案には、燃料輸入税と気候基金の設立も含む。
公式の統計によると、スイスの航空機利用者数は過去10年間で大幅に増加した。
おすすめの記事
欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
このコンテンツが公開されたのは、
欧州人権裁判所(ECHR)大法廷は10日、スイスが女子陸上五輪金メダリストのキャスター・セメンヤさん(南アフリカ)の権利を侵害したとする2023年の判決を支持した。
もっと読む 欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
おすすめの記事
スイスの抗生物質開発企業、塩野義と研究・ライセンス契約を締結
このコンテンツが公開されたのは、
抗生物質の開発に特化するスイスの新興バイオ企業ビオヴェルシス(BioVersys)は2日、日本の塩野義製薬と共同研究・独占ライセンス契約を結んだと発表した。
もっと読む スイスの抗生物質開発企業、塩野義と研究・ライセンス契約を締結
おすすめの記事
スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
このコンテンツが公開されたのは、
スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。
もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
おすすめの記事
スターリンクの衛星アンテナ設置に反対運動 スイス南部
このコンテンツが公開されたのは、
米宇宙企業SpaceX(スペースX)が運営する通信衛星「Starlink(スターリンク)」のアンテナ40基をスイス南部の村に設置する計画に対し、反対する声が上がっている。
もっと読む スターリンクの衛星アンテナ設置に反対運動 スイス南部
おすすめの記事
スイスでは現金のチップが主流
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのレストランでクレジットカードやスマホ決済が普及しているが、チップは今も現金で払うのが主流だ。消費者の多くは、チップが確実にスタッフの手元に入るようことを重視している。
もっと読む スイスでは現金のチップが主流
おすすめの記事
プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの研究所が新たな研究結果を発表し、プラタナスは猛暑でも冷却効果を発揮することが分かった。樹木の冷却効果は30~35℃で限界に達するという既存の仮説を覆す結果が出た。
もっと読む プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
おすすめの記事
スイス国立銀行、政策金利ゼロに引き下げ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国立銀行(中銀、SNB)は19日、政策金利を0.25%引き下げて0%にすると発表した。
もっと読む スイス国立銀行、政策金利ゼロに引き下げ
おすすめの記事
欧州外相、ジュネーブでイラン外相と核協議へ
このコンテンツが公開されたのは、
メディア報道によると、ドイツ、フランス、英国の外相は20日、スイス・ジュネーブでイラン外相と核協議を行う見通しだ。
もっと読む 欧州外相、ジュネーブでイラン外相と核協議へ
おすすめの記事
スイス議会、超富裕層への相続税案を否決 対案なく国民投票へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス上院は17日、超富裕層の相続に相続税を課し環境保護の財源にする案を否決した。
もっと読む スイス議会、超富裕層への相続税案を否決 対案なく国民投票へ
おすすめの記事
見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦鉄道(SBB)は17 日、目に見えない障がいを持つ乗客を対象としたヘルプマークの配布を試験的に開始した。外見からは分からなくても支援・配慮を必要としている人への理解を深めることを目的としている。
もっと読む 見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道
続きを読む
おすすめの記事
「飛び恥」解消?排出量ゼロの航空機燃料
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのスタートアップ企業が水や太陽光、CO2を使った航空燃料を開発している。この「排出量実質ゼロ」燃料は、フライトシェイム(飛び恥)の解決策になるのだろうか?
もっと読む 「飛び恥」解消?排出量ゼロの航空機燃料
おすすめの記事
気候変動の原因は本当にCO2?定説に疑問を投げる懐疑論者たち
このコンテンツが公開されたのは、
「気候変動の原因は人間である」。国連の専門家らの主張に対し、疑問の声を上げる人たちがいる。彼らは俗に気候変動懐疑論者と呼ばれ、気候変動も地球温暖化も自然現象と考える。彼らの論理とは?そしてそれに対する学術界の反応は?
もっと読む 気候変動の原因は本当にCO2?定説に疑問を投げる懐疑論者たち
オピニオン
おすすめの記事
気候変動している、していない?取り組むべき「二つの現実」
このコンテンツが公開されたのは、
地球温暖化は現実だ。ところが、それに疑いを持つ人々がいる。ザンクト・ガレン大学教授で政治学者のクラウス・ディングヴェルト氏が、これら気候温暖化の否定論者らに見られる五つのフェーズ(段階)を解説する。
もっと読む 気候変動している、していない?取り組むべき「二つの現実」
おすすめの記事
COP25に託された地球の未来
このコンテンツが公開されたのは、
本日からマドリードで開催される第25回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP25)に際し、スイス政府は「パリ協定を効果的に実施するための基盤を築くことは必須」と表明している。2050年までに温室効果ガスの排出量をゼロにすることを目標に掲げるスイスだが、NGOはそれだけでは不十分だという。会議の重要項目をまとめた。
もっと読む COP25に託された地球の未来
おすすめの記事
融解を食い止めろ!人工雪でアルプスの氷河を救う
このコンテンツが公開されたのは、
アルプスの氷河が気候変動の影響でますます減少している。氷河の命運を神に委ねる人々がいる一方で、テクノロジーの力で後退を食い止めようと試みる研究者もいる。
もっと読む 融解を食い止めろ!人工雪でアルプスの氷河を救う
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。