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スイスで第1回グローバル難民フォーラム開催

難民
UNHCRの基金で設立されたクアラルンプール近郊の小学校で学ぶロヒンギャ難民の子供たち。2019年2月19日、マレーシアで Keystone / Ahmad Yusni

ジュネーブで第1回グローバル難民フォーラム外部リンクが16日、開幕した。2018年末に国連総会で採択された「難民に関するグローバル・コンパクト」(GCR)の実践面でのフォローアップを図る目的だが、枠組み自体に弱点があるとの批判も上がる。

フォーラムは18日までの3日間で、約2千人が参加する予定だ。350万人の難民が暮らすトルコのエルドアン大統領も特別待遇で出席。他の政府代表、国際機関、NGO、企業、財団の職員、難民60人らも参加する。

過去10年間で強制的に移動を余儀なくされた人の数は世界中で7100万人という記録的なレベルに達した。うち2600万人が難民認定されている。暴力や迫害の被害を受けたシリア、イラク、ミャンマーの人々だ。

同フォーラムは国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)とスイス政府が共同で開催。昨年、法的拘束力のない枠組み「難民に関するグローバルコンパクト外部リンク」が国連総会で採択された。これは2016年の難民と移民に関するニューヨーク宣言外部リンクから派生したもの。ほかにも移住に関するグローバルコンパクト外部リンクがあるが、これは物議を醸した。

UNHCRのケリー・クレメンツ副高等弁務官は「ジュネーブの会議は(難民政策の)舵を取り、行動に移す画期的な機会だ」と述べ「強制移動にどう対応するか、より良い答えが必要だ」と語った。

UNHCRは、難民・亡命政策に関する最善の方策を参加者間で共有し、財政から第三国定住に至る確固とした約束と保証を発表したいという。難民の雇用と教育の機会、環境への影響、エネルギーとインフラ、保護、協力、責任分担が話し合われる。

負担をシェア

現在、難民の85%は、受け入れに難儀する低・中所得国に住む。ウガンダとバングラデシュなど10カ国が、全難民の60%以上を受け入れている。

アムネスティ・インターナショナルの難民・移民の権利の専門家ジェニファー・フォスター氏は「より良い責任分担の在り方、難民のニーズに対し人権に即した思いやりのある措置などが、成果として出されることを望む」と述べた。

「受け入れ国に経済的支援を提供し、第三国定住や難民の移動にかかる安全な法的手段へのアクセスを拡大する。それについて世界的な約束ができれば理想だ」

スイスでは

スイスはイグナツィオ・カシス外相が代表で出席。17日に各界の代表による会合を開く。スイス政府は、亡命と難民政策に関する自国の好例を他国と共有したい考えだ。

スイス側はまた、自国の予防・保護活動、難民の教育にも焦点を当てる。これらについては新たな資金拠出、第三国定住に関する措置ができる予定だ。

慈善団体カリタス・スイスの開発政策責任者パトリック・ベルリンガー氏は、スイスの新しい「短期かつ公正な」難民申請手続きと社会統合政策は概ねうまく機能してきたと述べた。その一方で、難民申請する女性や未成年者の保護措置が強化されるべきだとも語った。

現行の国際法に基づいた「難民に関するグローバルコンパクト」は、「移住に関するグローバルコンパクト」よりは多くの国の支持を得て採択された。「移住のグローバルコンパクト」は2019年12月10日、モロッコでの国連会議で164カ国によって採択されたが、スイスはその中に入っていない。

 「薄く」拘束力のない協定

難民に関するグローバルコンパクトは、これまでの国際的な取り組みより一歩進んだ措置とされるが、限界はある。拘束力のないツール、そう一部の批評家は嘆く。このほかにも、協定が「薄く」、難民への信頼に足る保護措置もなく、受け入れ国に適切な補償を行うメカニズムが欠落しているという声もある。

ベルリンガー氏は、協定が幅広い支援を享受し、協働を後押しすると評価する。しかし、持続可能な資金調達や根底にある暴力的な紛争をどう解決するかなどと言った課題の答えは、この協定には盛り込まれていないとした。

(英語からの翻訳編集・宇田薫)

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