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電子投票に6億フラン

電子投票には時間と資金が必要

(Keystone)

スイス全土で国民投票や選挙に電子投票 ( E-投票 ) を導入することになると、4億フランから6億フラン ( 約400億から600億円 ) の資金が必要になるという。

来年、スイス初の在外スイス人による電子投票が試みられる予定だ。アナマリー・フーバー・ホッツ連邦内各事務総長が電子投票についての見通しや意見をAP通信に語った。

 すでに、チューリヒ、ジュネーブ、ヌーシャテルの各州で、電子投票の試みが行われた。しかし、これを全国的に行おうとすると、4億フランから6億フラン必要だとフーバー・ホッツ事務総長は語る。

州の垣根

 「電子投票への道が開けたことを歓迎するが、州ごとのテストをどんどん行って欲しい」とフーバー・ホッツ事務総長は言う。スイスでは州レベルですでに5回の電子投票のテストが行われ、現在は連邦官房の特別な許可を得ることなく施行できる上、コストの8割は政府が負担する。

 フーバー・ホッツ事務総長はしかし、電子投票を施行するには安全管理などいまだに技術的な問題が未解決であり「 ( 現在多くの有権者が利用している ) 郵便投票システムと同等のスタンダードが保障されなければならない」とも言う。問題なのは、投票と投票者のリストが州ごとに別々の法律で管理されており、ある州で行われたテストが、他の州にそのまま適用できないことが挙げられる。

直接民主制 ( direkte Demokratie/ Democratie directe )

国民が直接政治に参加する国の政治形態を指す。これに相対するのは代表民主制で、国民の代表となる議員を選挙で選び議会に送る間接民主制である。スイスの直接民主制の主要手段は、イニシアチブと任意のレファレンダムである。スイスの政治形態は、半直接民主制とも呼ばれる。国民の代表としての議員選挙もあるためだ。

進行に制限

 今後4年間で、有権者490万人の1割に当たる約50万人に限り電子投票を行うことを目指すという。このための法改正も整い、来年初めに発効する。

 有権者の1割に限っての導入することにした理由についてフーバー・ホッツ事務総長は、この秋の連邦会議で、過去7年間の国民投票の5回に1回は、賛成と反対の差が10%に満たなかったことを挙げ「各州がテストを施行したなら、制限を緩めることも考えられる」と語った。現在のところ、ザンクトガレン、ベルンの2州が電子投票のテストに意欲的で、ヴォー州は検討中という。

在外スイス人向けのテスト

 「来年、在外スイス人に向けてのテストが行われることを望んでいる。これに向けた準備は、ヌーシャテル州がもっとも進んでいる」とフーバー・ホッツ事務総長は言う。一方、2011年に行われる次回の総選挙でインターネットや携帯電話から投票できるようになるのは、非現実的と見込む。「システムに負担がかかるようなことは良くない。現行の投票方法と新方法が並行することが望ましい」と言う。いずれにせよ、大半の州においてテストが成功した上で、連邦での導入を検討するという。
 
 在外スイス人協会 ( ASO/OSE ) のルドルフ・ヴィダー会長は「在外スイス人が電子投票の対象となったのは喜ばしい」と歓迎している。在外スイス人は特に、電子投票への関心は高く、以前からその導入を主張してきた。ヴィダー氏によれば、IT技術が進んでいるスイスであれば2011年の全国導入は現実的だという。隣国オーストリアなどは、スイスより進んでいる。「スイスの場合は政治的意思が足りない。だからこそ、積極的に前進しなければ」と言う。
 
swissinfo、クリスティネ・ヴァンナー ( AP ) 、佐藤夕美 ( さとう ゆうみ ) 訳

電子投票テスト

11月25日に行われるチューリヒ州における全州議会議員の再選挙には、電子投票が導入される。導入されるのは3つの自治体で、オンラインもしくは携帯電話を通して投票できる。
ジュネーブ州とヌーシャテル州では、オンラインのみの電子投票が予定されている。ジュネーブ州は投票者の4割が電子投票をする見込み。ヌーシャテル州はおよそ4700人がこれに参加すると見られる。

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