1月30日、ウクライナのオレホボで、ロシアの砲撃により被害を受けた学校。学校へのシェルター設置は、スイスによる支援策の焦点の一つ
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スイス連邦政府は22日、ウクライナとモルドバに対し、1億4千万フラン(約202億円)規模の追加の人道支援を行うと発表した。
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スイス政府は声明外部リンクで、「ウクライナの人々が置かれた不安定な状況を改善し、国家としての機能を確保するために」継続的な支援が必要だと述べた。
1億4千万フランのうち、1億1400万フランをウクライナ、2600万フランをモルドバに割り当てる。一部は既存の補正予算から支出可能だが、約9200万フランは議会の承認を必要としている。
今回の追加支援は、ウクライナ・モルドバとスイスとの繋がりの深さに依拠したものであると、政府は述べている。「今回の緊急支援は、スイスが得意とする分野において、両国のニーズと要望に応えるもの。活動内容には、学校のシェルター、病院やエネルギーインフラの修理、農業の中小企業への小口融資、地雷除去、住民への心理的サポートなどが含まれる」
スイスはこれまでに、ウクライナ支援に13億フランを支出した。うち2億7千万フランはウクライナ国内、10億3千万フランはスイスに避難してきたウクライナ人の支援に振り向けた。ロシアがウクライナに侵攻を開始した昨年2月24日から1年間で、約7万5千人のウクライナ人がスイスに避難した。
パラダイムシフト
政府は声明で、「2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナへの軍事攻撃は、大陸の現代史における大きなパラダイムシフトとなった」とし、「連邦内閣は、この軍事攻撃を最も強い言葉で非難し、敵対行為の停止とウクライナの全領域からのロシア軍の撤退を改めて要求する」と述べた。
また、国際人道法を尊重するよう求め、国際刑事裁判所が開始した国際犯罪捜査を支持するとした。
英語からの翻訳:大野瑠衣子
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