The Swiss voice in the world since 1935
トップ・ストーリー
スイスの民主主義
ニュースレターへの登録

「本物の毛皮」表示を厳格化

スイス連邦内務省は、本物の毛皮は今後そのように明記すべきとする法案をまとめ、意見公募にかけた。本件と同時にその他の毛皮表記に関する調整案も提出された。 

連邦内務省は11日、製品が動物由来かアニマルフリーか確かめたくても顧客には判断が難しいため、本物の場合は今後、読みやすく見やすい場所に「本物の毛皮」と明記するべきだと発表した。

だが実際、毛皮を仕入れる際、毛皮や毛皮製品の起源および入手方法は必ずしも明らかにされない上、情報も信頼できないケースが多い。そのためメーカーがラベルに「原産地不明」と記入することも許可される。 

毛皮の入手に関する記入方法も改善案を提起。従来の「土の地面でのケージ飼育」という表記は、実際には衛生上・経済上の理由からそうした環境で飼育する例はないため、廃止するよう求めている。 

「群れでの飼育」という表記は、「集団飼育」という表記に置き換えられる。事実、毛皮の使用が目的で飼育される動物が群れで飼われることはない。誤解を避けるため、これらの用語を廃止する必要がある。 

ウサギの場合 

改正後は「金網の床のケージ飼育」と「集団飼育」という二つの表記のみが可能になるが、ウサギはこれらの表記が該当しないケースがある。そのため、ウサギには例外的に別の表記が作成される。

現時点では、毛皮または毛皮製品の入手方法が明らかでない場合、狩猟(罠使用、罠不使用)かあるいはケージ飼育などの飼育方法による採収と記載するだけでよかった。

今後、入手方法の情報が不十分な場合でも、①罠を使った狩猟②罠を不使用の狩猟③集団飼育④金網のケージ飼育、のいずれかに分類し明記する義務が生じる。

これらの調整案は、スイス政府が昨年発表した毛皮の表記に義務に関する報告書が背景にある。スイスでは毛皮申告規定が2013年に施行された。スイスは毛皮について情報表示を義務づけている欧州で唯一の国だ。

内務省は今年5月中旬まで意見公募を続ける。

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

詐欺を警告するPC画面

おすすめの記事

スイス銀行の顧客を騙した英国人留学生に有罪判決

このコンテンツが公開されたのは、 スイス銀行を狙った口座乗っ取り事件で、英国で刑事告訴されていた英国人学生(21)に禁固7年の有罪判決が言い渡された。スイス連邦検察庁によると、学生はスイスの銀行顧客から約240万フラン(約4億4000万円)を騙し取った。

もっと読む スイス銀行の顧客を騙した英国人留学生に有罪判決
オリーブの木

おすすめの記事

温暖化でスイスがオリーブの名産地に?

このコンテンツが公開されたのは、 スイス西部のフランス語圏は温暖化によりオリーブの木を育てやすくなっている。生産者らは2026年には栽培本数が2万本に倍増し、南部のイタリア語圏ティチーノ州を追い抜くと見込む。

もっと読む 温暖化でスイスがオリーブの名産地に?
山肌に描かれた巨大な絵

おすすめの記事

アルプスに新しい巨大地上絵が登場

このコンテンツが公開されたのは、 世界各地で巨大な地上絵を描くアーティストのSAYPE(セイプ)さんが、スイス南部ヴォー州のアルプス山頂に新作を完成させた。

もっと読む アルプスに新しい巨大地上絵が登場
原発

おすすめの記事

スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず

このコンテンツが公開されたのは、 スイス北部デニケン(ソロトゥルン州)のゲスゲン原子力発電所が2カ月近く、発電を停止している。給水配管システムに過負荷がかかっている可能性があり、安全性が証明されるまで発電を再開できていない。

もっと読む スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず
セメンヤ

おすすめの記事

欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」

このコンテンツが公開されたのは、 欧州人権裁判所(ECHR)大法廷は10日、スイスが女子陸上五輪金メダリストのキャスター・セメンヤさん(南アフリカ)の権利を侵害したとする2023年の判決を支持した。

もっと読む 欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
スイス公共放送協会

おすすめの記事

スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も

このコンテンツが公開されたのは、 スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。

もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部