のどかな風景が広がるミトホルツ村。地下には3500トンの古い爆薬が眠る
Keystone / Peter Schneider
スイス連邦政府はベルナーオーバーラント地方の農村、ミトホルツ村の地下に眠る旧弾薬庫の大規模な撤去作業にかかる事業費として、25億9千万フラン(約3780億円)を承認した。
このコンテンツが公開されたのは、
政府が16日発表した。今後、連邦議会の両院で審議される。
旧弾薬庫には現在も3500トンの古い弾薬や爆薬が保管されている。専門家の調査で、以前の想定よりも危険が大きいことが分かり、2020年に撤去が決まった。
撤去作業は容易ではない。作業には20年超の年月がかかり、付近の住民約50人は2025年までに避難を完了し、作業終了まで自宅に戻ることはできない。地質やインフラに絡む問題もある。
事業費は、作業前の準備と安全対策に10億9千万フラン、撤去とその後の復旧作業に7億4千万フラン、予備費に7億6千万フランを計上した。
ミトホルツ村の地下弾薬庫は第二次世界大戦中に建設された。1947年にはそこで保管されていた約7千トンの弾薬と爆薬の一部が爆発し、9人が死亡している。
英語からの翻訳・宇田薫
おすすめの記事
UBS、スイスからの本社移転を検討か 一部報道
このコンテンツが公開されたのは、
スイス政府が検討している国内銀行の規制強化案が実現すれば、UBSはスイスからの本社移転を検討すると、米ブルームバーグ通信が20日報じた。
もっと読む UBS、スイスからの本社移転を検討か 一部報道
おすすめの記事
スイス国立銀行、0.25%利下げ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国立銀行(スイス中銀、SNB)は政策金利を0.25%引き下げると発表した。
もっと読む スイス国立銀行、0.25%利下げ
おすすめの記事
スイス、子どものSNS利用禁止を検討 影響調査に着手
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは、ティックトックやインスタグラムなどがもたらす弊害から子どもや若者を保護するため、SNSの利用禁止を検討している。
もっと読む スイス、子どものSNS利用禁止を検討 影響調査に着手
おすすめの記事
スイス中銀、フランの買い手から売り手に転じる 2024年報告書
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国立銀行(中央銀行、SNB)が18日発表した年次報告書によると、2024年はフランの「買い手」から「売り手」に転じた。インフレ圧力が緩み、フラン安を食い止める必要性が薄れた。
もっと読む スイス中銀、フランの買い手から売り手に転じる 2024年報告書
おすすめの記事
世界の特許出願、中国が首位 日本3位、スイス8位
このコンテンツが公開されたのは、
世界知的所有権機関は17日、昨年の国際特許出願件数の統計を公表した。国別では中国が出願件数の4分の1以上を占め首位を維持し、米国と日本が続いた。スイスは8位だった。
もっと読む 世界の特許出願、中国が首位 日本3位、スイス8位
おすすめの記事
スイスの新国防相にフィスター氏
このコンテンツが公開されたのは、
スイス政府の新大臣に選出されたマルティン・フィスター氏は、4月1日から連邦国防・国民保護・スポーツ省のトップに就任する。
もっと読む スイスの新国防相にフィスター氏
おすすめの記事
マルティン・フィスター氏が新閣僚に当選
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦議会は12日、今月末で辞任するヴィオラ・アムヘルト国防相の後任として、ドイツ語圏ツーク州出身のマルティン・フィスター氏(中央党、61歳)を選出した。
もっと読む マルティン・フィスター氏が新閣僚に当選
おすすめの記事
内陸国スイス、海運世界一に
このコンテンツが公開されたのは、
内陸国スイスが世界海運王者の座をドイツから奪った。コンテナ大手MSCが存在感を高めている。
もっと読む 内陸国スイス、海運世界一に
おすすめの記事
スイスの世界遺産エッシネン湖、予約制を導入
このコンテンツが公開されたのは、
スイス・ベルナーオーバーラント地方の世界遺産エッシネン湖は5月から、麓駅から湖に登るゴンドラに予約制を導入する。観光客を分散させ、待ち時間や混雑の解消を狙う。
もっと読む スイスの世界遺産エッシネン湖、予約制を導入
おすすめの記事
スイス武器輸出、2024年は5%減
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは昨年、政府が承認した6億6470万フラン相当の軍需品を計60カ国に輸出した。前年比で5%減少した。
もっと読む スイス武器輸出、2024年は5%減
続きを読む
おすすめの記事
爆薬眠るスイスの村 緊張漂う静けさ
このコンテンツが公開されたのは、
今から約70年前、スイスのミトホルツ村で弾薬庫が爆発し、当時としては世界最大の非核爆発事故が起きた。それ以降は危険がないとされてきたが、事態は2018年に急転。連邦国防省は昨冬、村を10年間閉鎖すると発表した。
もっと読む 爆薬眠るスイスの村 緊張漂う静けさ
おすすめの記事
スイスアルプス地下の旧弾薬庫、爆発リスク増大
このコンテンツが公開されたのは、
スイスアルプスの地下にある旧弾薬庫で、格納された弾薬が爆発する危険性が増大している。連邦環境省環境局が、15日に発表した調査報告書の中で、その実態を確認した。
もっと読む スイスアルプス地下の旧弾薬庫、爆発リスク増大
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。