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金融危機や気候変動で蝕まれる現代人の健康



経済変化が及ぼす効率重視の会社環境で、燃え尽き症候群に陥る人や精神的障害を訴える人は増えている

経済変化が及ぼす効率重視の会社環境で、燃え尽き症候群に陥る人や精神的障害を訴える人は増えている

(Keystone)

病気の予防や健康促進対策を各国が持ち寄り、経験を共有して改善に役立てる「ヘルスプロモーション・健康教育国際連合」会議。その第20回大会がジュネーブで7月中旬に開催される。

今年のホスト国はスイス。金融危機や気候変動などが人々の健康を蝕むという現代人特有の健康問題をテーマに、対策を探っていく。

経済、環境、社会的側面と健康

 金融危機でのリストラや会社環境の悪化が労働者の健康に与える被害は計り知れない。また温暖化が引き起こす夏の熱中症。マラリアなどかつて存在しなかった地域での感染症発生。温暖化による乾燥地域拡大が招く食糧不足による健康被害もある。

 「経済の変化、環境の変化、また人種、性差別などの社会問題によって現代人の健康は蝕まれている。今回の会議ではこれら三つの側面に焦点を当て、いかに健康促進と持続的な発展を国や地域が行っていけるかを話し合う」
 と今年の主催者「スイス健康プロモーション ( Gesundheitsförderung Schweiz / Promotion Santé Suisse )」の会長トマス・マッティク氏は話す。
 
 「ヘルスプロモーション・健康教育国際連合 (IUHPE )」の第20回国際会議では、上記のテーマに従い、各国の健康促進分野の政府関係者、NGOなどが190近いパネルやセッションを7月10日から15日まで行う。各国は自国の課題やサクセスストーリを持ち寄り、世界レベル、国、地域レベルでの解決策を探って行くことになる。

健康にやさしい仕事環境ラベル

 今年のホスト国のスイスは、精神疾患と肥満を自国のテーマとして提示する。スイスでは国民のほぼ2割が鬱 ( うつ ) 病などの精神的障害を訴えており、また増加の傾向にあるとマッティク氏は前置きし
 「こうした精神障害の増加を食い止め、予防を行うことが緊急の課題だ。その一環としてスイス健康プロモーションは1年前から企業に働きかけ、健康管理を適切に実践している会社にラベルを与えるシステムを作り上げた。これは世界でも例がない。ぜひ国際会議で紹介したい」
 と話す。

 「健康にやさしい仕事環境 ( Friendly work space ) 」のラベルは、基本的に従業員の健康管理を精神面なども含め総合的に行っている企業に対して贈られる。
 「すでに20社にラベルが渡された。また多くの企業が興味を持ち、問い合わせが来ている。金融危機で企業の管理体制が変化し、それが与える健康問題は世界中の問題だ。スイスの例が一つのヒントになったらうれしい」
 とマッティク氏は語る。
 
 肥満は世界的な問題だが、結局対策はバランスのとれた食生活と運動やトレーニングがキーポイントになる。また、この食生活の見直しこそ、現代人の複雑で重要な健康課題に繋がるという。

農業生産から学校給食まで

 食生活の見直しはホスト国のスイスが会議の後半に提示するイニシアチブ「ヘルス・3 ( Health 3 )」の中心テーマだ。「健康な地球 ( Healthy planet )」 上での「健康な社会 ( Healthy society )」 の中での「健康な人々( Healthy people ) 」の生活を実現するには、食生活の見直しこそが、環境問題やグローバル化した社会での健康問題を鏡のようにして映し出すからだ。

 「食生活は、生産の段階から食品が食卓に上るまでに、多くの複雑な過程を通過する。生産者、輸送業者、加工業者、小売業者、消費者など、一つの食品に関係する人の数は数知れず、そうしたすべての人々の健康が現代の問題になっている」
 と同会議のパネリストでフードコンサルタントのイロナ・キックビュシュ氏は説明する。

 具体的には、農産物の生産過程での化学肥料などが環境に与えるインパクトと農業労働者の健康問題。先進国での消費者意識の問題。食品生産者や小売業者の責任。途上国でファーストフードが流行っている問題。先進国での貧困層が健康的な食品を入手できない状況。世界各国での学校給食や社員食堂で扱われている食品の安全性など、数限りない複雑な側面がある。
 
 「その複雑さをパネルではまず理解してもらい、その後検討し、何らかのサクセスストーリも紹介した上で、解決策の幾つかを自国や地域に持って帰ってもらえたら」
 とキックビュシュ氏は考えている。

里信邦子 ( さとのぶ くにこ) 、swissinfo.ch

ヘルスプロモーション・健康教育国際連合 ( International Union For Health Promotion and Education / IUHPE )

1951年にパリで創立された健康増進、健康教育に関する国際機関で3年に1度国際会議を行う。
各国の健康促進、健康管理の経験、課題を持ち寄り、討議、検討することで、推薦できる対策などを決め、国際、各国、地域レベルでの健康促進に役立てる。
今年第20回国際会議は、ジュネーブで7月10日から15日まで開催される。3年前はバンクーバーで行われた。
スイスでの大会は、スイスの健康保険会社、州、連邦内務省保健局 ( BAG/OFSP ) の支援を受けている「スイス健康プロモーション ( Gesundheitsförderung Schweiz / Promotion Santé Suisse ) 」が主体となって開催される。  
世界各国からおよそ2500人の健康に関する政府関係者、NGOなどの専門家が集まる。
今回の目的は金融危機や気候変動が人々の健康に与える被害を考慮し、「健康プロモーションと持続できる発展」に橋を掛け、相互の関係と問題点及び対策を探る。

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