5月17日、北東スイスのアッペンツェル・インナーローデン準州ゼーアルプ湖畔をハイキングするカップル。スイスの観光は当面、こうした形態が一般的になりそうだ
Keystone
休暇は国内の地方部で、少人数、時には制限付きで――ザンクト・ガレン大学が26日に発表した研究は、新型コロナ危機終息後の観光がこんな特徴を持つようになると予測する。
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外出や他人との交流は、新型コロナ危機下ではどちらもご法度だ。このため観光業界は政府の発したロックダウン(都市封鎖)やその他の措置で最初に影響を受けた分野で、「再開も最後の一つになる」と研究を執筆したクリスティアン・レッサー氏とトーマス・ビーガー氏は指摘した。
人々が旅行を望んでいるのは確かだが、健康リスクや経済の見通しの悪さから消極的でもある。「スイスは当面、国内旅行に適応しなければならない。だが観光客は消極的で、直前に旅行の計画を立て、短期間しか宿泊しないため(観光業界が)適応するのは難しい」
柔軟な価格設定システムにより、施設利用のピークと稼働率のバランスを保つことができる。ザンクト・ガレン大は声明で、支払額よりも額面が高く、地元・地域内で使える旅行補助券は需要を大きく後押しする可能性があると指摘した。
研究では、家族や友人、高リスク群に属さない人々どうしの小グループでの旅行が早い段階で旅行を始めると予測する。車やバイク、自転車で比較的遠く、人口が少ないエリアへの弾丸旅行が、公共交通間を利用する長期の団体旅行よりも人気を集めそうだ。
価格圧力
研究は、観光・ビジネス用の都市型ホテルの宿泊料金は夏から秋にかけて値下げ圧力を受ける可能性が高いと予測する。他の宿泊施設や、スイス人常連客の比率が高い地方部の観光ホテルでは、高い需要と安定した価格を見込む。
国内観光から回復が始まり、今年6~9月期以降は旅行先が欧州全体に広がる可能性が高い。他の大陸からの観光客が戻るのは2021年半ばになるとみている。
国外旅行が「実質的に回復する」には3年かかると予測した。
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