グリーンランド関税、負担はアメリカ消費者 独民間調査
デンマーク領グリーンランドの領有を目指すドナルド・トランプ米大統領が、再び欧州に対し関税をちらつかせている。ドイツ民間機関の分析によると、新関税の負担は主にアメリカ消費者にはね返ることになる。
2026年の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)は、グリーンランドをめぐる紛争とトランプ大統領による新たな関税導入の脅威の陰に隠れながら開幕した。トランプ氏はグリーンランド領有計画に反対するヨーロッパ諸国を牽制しようと、輸入関税の引き上げをほのめかしている。
だがドイツのキール世界経済研究所の新たな研究外部リンクによると、関税引き上げの影響は主にアメリカ自身にはね返る。同研究は、第2次トランプ政権が関税を導入した最初の数カ月で、物価はほとんど下がっていないと結論付けた。
アメリカ国民の財布から1900億ドル
ヨーロッパやその他の外国の輸出業者が輸出価格の引き下げで関税を相殺したケースは、輸出全体のわずか4%に過ぎない。それ以外のケースではアメリカの輸入業者が追加関税を支払い、それを国内消費者に転嫁している。
米政府は過去1年間の関税収入が約2000億ドル(約31兆円)だったと報告している。キールの調査によると、うち1900億ドルは最終的にアメリカ国民の懐から出たものだ。
キールは、アメリカへ船舶で輸送された貨物2500万個以上の運送状データを分析した。重量と数量の情報に基づいて、実効輸入価格を日単位で計算した。
ヨーロッパ製品への依存
研究は、関税を消費者へ容易に転嫁できる理由について、いくつかの要因を挙げた。アメリカの輸入業者は予想以上に特定の欧州製品に依存しており、短期間で切り替えられる代替品はほとんどない。
一方、ヨーロッパやスイスの輸出業者は、アメリカへの輸出価格を下げるよりは、輸出量の減少を許容している。多くの製品について、驚くほど迅速に代替輸出先を見つけた。
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キールはアメリカの対インド・対ブラジル関税も分析し、同様に主な負担は米消費者にかかると結論付けた。
ヨーロッパもその影響を感じています。
ドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)のビジネス担当記者、クラウス・アマン氏は、トランプ大統領が公言した通り、グリーンランド領有に反対するEU加盟国にはるかに包括的な追加関税を課すとすれば、同様の影響が予想されると解説した。
ただ欧州の輸出企業が影響を免れるわけではない。関税を自ら負担する必要はないとはいえ、回避策は限られる。対米輸出は既にいくつかの分野で激減しており、生産量の減少や労働時間の短縮といった影響が出ている。
グリーンランド関連の追加関税が課されれば、ドイツの国内総生産(GDP)は最大1%減少する可能性がある。
独語からのGoogle翻訳:ムートゥ朋子
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