NECは5日、スイス最大手の金融ソフトウェア企業アバロック・グループを20億5千万フラン(約2360億円)で買収すると発表した。
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NECの発表によると、持ち株会社の全株式を取得する。同社の株式を保有するアバロック社の持株会、プライベート・エクイティ会社Warburg Pincus(株式の45%を保有)が運営する特別目的会社などと株式売買契約を締結した。
各国の競争当局の承認などを経て、2021年4月までに買収が完了する予定。
アバロックの顧客はドイツ銀行や英金融大手HSBCなど、世界30カ国で150 社を超える。昨年の売上高は6億1千万フラン。うち7割は欧州だった。
NECは自社独自の生体認証や人工知能(AI)技術とアバロックのソフトウェアや技術を活用した金融機関向けサービスを国際展開するほか、行政向け事業の強化も図る。
NECは過去10年、価格競争力のあるアジア諸国の台頭によって採算が取れなくなった半導体・パソコン・スマートフォン部門の構造改革を行ってきた。
NECは金融機関のデジタル化が遅れている日本をターゲットにするという。菅義偉首相が進める行政のデジタル化も背景にある。
アバロックの創業者フランシスコ・フェルナンデス氏は5日、声明で「NECの複数のトップマネージャーと話し、研究開発に多額の投資を継続することでアバロックが金融業界の未来を形作っていくという大志を彼らと共有していることがはっきりとした」と述べた。
同氏はさらに「顧客と人々のことを考え、卓越性と最高品質基準を目指し努力するという、スイスと日本が最終的に象徴する文化的な適合性も感じた」とした。
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