スイス公的機関で近年最大級の汚職事件に関し、収賄罪などに問われた元政府高官の公判が始まった。
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連邦刑事裁判所で2日、コンピューター機器の購入を巡り不正をはたらいたとして、連邦経済省経済管轄庁(SECO)の元部門長(68)の公判が始まった。このほか民間企業の幹部3人が起訴されている。
主な被告である元部門長は、失業保険データセンターの調達を監督した。2004~14年の間に民間企業3社に便宜を図り、見返りに企業側から元部門長や第三者への賄賂を受け取ったとされる。
連邦検察庁は、元部門長を公職の職権乱用、文書偽造、収賄の罪で起訴した。3人の企業幹部は贈賄、一部の事案については刑事上の監督不行届、偽造またはマネーロンダリング(資金洗浄)の罪に問われている。
訴追内容によると、元部門長はコンピューター機器の入札で3社を有利にするために、評価を操った。そのために自由な競争が妨げられ、SECOとスイス政府に重大な損害を与えた。
見返りとして、元部門長は合計170万フラン(約2億円)以上を受け取ったとされる。招待状やイベントのスポンサー、現金、サッカーの試合チケットなどが含まれ、第三者も恩恵を受けたという。公判は2週間続く予定。
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